炎情カタルシス

変わらない関係-past- ページ18

紫耀くんと出会って三年も経つのに

私たちの関係も

お姉ちゃんと彼の関係も変わらなかった。

専門学校に進学した私は

相変わらず家では虐げられてるものの

学校には少ないけど友達も出来て

前より紫耀くんと会う機会が更に少なくなった。

男の子と話す回数も格段に増えて

紫耀くん以外のたくさんの男の子を知ったけど

それでも私の気持ちは

三年前のままずっと変わらなかった。









「これもうすぐクリスマスだから。

マフラー編んだの。

良かったら使って…。

いつも話聞いてくれるお礼。」









紫『え、これAちゃんが作ったん?

めっちゃ上手いやん!

お店に売ってるやつみたい。

ほんまにええの?

ありがとう。』









手作りのマフラーなんて

今時、時代遅れな上に重いんじゃないかと

不安に思いつつも

受け取った彼の笑顔と鈍感さに助けられて

寝ないで編んだ甲斐があったと思った。









「今年はもう二人で会うのは最後だね。

でもクリスマスに会えるから良かった。

24日だよね?」









紫『うん、そうやで。

24日に俺が朱里たちの家にお邪魔して

一緒にパーティするんやろ?

で次の日は二人でデート行くって

朱里が計画立ててん。』









紫耀くんはうちの家族ともすっかり打ち解けて

私よりも

両親と上手くやってるんじゃないかと言うくらい

気に入られていた彼は

家に訪れる回数も増えて行った。

お姉ちゃんの彼氏として笑っている彼を見るのは

辛かったけど

クリスマスに大好きな彼に会えるのは

どんな理由であれ楽しみだった。

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