4話 ページ5
シウside
オベロンと再会して暫く
妖精であるオベロンは基本人には見えないものの、見える人がいないわけではない
ということで、急遽場所を用意した
塗料ではなく魔力で右手の甲に描かれた、懐かしい紋様
それを鍵として、亜空間に繋がるようにした
で、必要があればそこから出てくるって感じ
亜空間は森の中
まぁ、かつての森であるはずはない、他に何もいないハリボテみたいなとこだけど
オベロン「マスターでなくなったのにそんなの描くとか、趣味悪いね」
『これが一番意味を通しやすいんだよ』
別に、オベロンに会ったから“令呪”を描いたわけじゃない
こんなの前から描いてたさ。何故って、どうしても前世から馴染んだこれが一番使い勝手いいから
私はギルドキーパーであると同時に、マイスターでもある
まぁ、マイスターの方は副業みたいなもんだけどさ
「紋様術師」と言ってね
様々な紋様を見出し、描くことで、様々な効果を得る紋様術を操る術者だ
いつでもどこでもオーダーメイドの魔法陣みたいな感じだよ
この術の肝は、間違っても紋様を作り出すわけじゃないということ
星座のように、あらかじめそこにあるものから、紋様を「見出す」のが紋様術師
令呪は、私にとって最も見慣れた、最も印象深い紋様
見出すのも、そこから力を引き出すのも、容易いというものさ
普段は令呪は手袋で隠してるけどね
いや、特に深い意味はないけど、わざわざ見せるものでもないでしょ
「シウさん、ちょっといいですか！？」
『ん？どうした？』
「僕のミスで、資材の手配が遅れてしまって…！」
『君の担当って確かあそこだったよなぁ…分かった、こっちで掛け合ってみるよ』
「すみません、誰かこっちヘルプお願いします！」
『オッケー、キリがついたから手伝うよ。君らは一旦休みな』
『ほら、書類忘れてるよ』
「え、あっ！す、すみませんホント！」
『必要なとこは埋めといたから、仕上げてから持っていってね。次から気をつけな』
まぁそんなことは兎も角、今日も今日とて忙しいなぁ
あっち行きーのこっち行きーの
てんてこ舞いだよ全く
前世で培ったフォロー、書類処理技術がこうまで役立つとは……
オベロン「良い顔して走り回るのは相変わらずだな」
『夢なんてそんなもんでしょ』
小声で呟くように返す
まぁでも、前世のてんやわんやに比べればホントなんてこと無いよ……
「あの、シウちゃん」
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ルウ(プロフ) - 新作おめでとうございます！「魔界の異邦人」や「前世は柱、今世はヒーロー？」も応援しています！体調に気を付けながら更新頑張って頂けたら嬉しいです。 なんといっても、零月 さんの作品は神作だらけですからね！私の生き甲斐です！ (9月21日 22時) (
レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
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