38話 ページ39
シウside
突然口をはさんだ私にみんなが驚く
『彼ら黒妖精は、昨日の騒動で力を使い疲弊しました。回復していたとしても、彼らが功労者であることは事実であり、いたわり感謝すべき存在です
何より彼らは、使役状態であるとはいえ意志を持たぬ道具ではありません
この場で黒妖精と対話することを反対するというわけではありませんが、安易に「呼んでくれないか」と言うのはいかがなものでしょうか
せめて、「出てきてもらうことは可能か？」と確認するのが先では？』
まぁ、従わされてる側としては、「どうせ逆らえないし？」ってなるだけだろうけど
けど、道具として扱うのだとしても、だ
意志を理解し、聞いて扱うのと
意志をないものとして扱うのでは
まるきり意味が違うんだよ
ルベルト「……なるほど、シウの言うとおりだな。失礼した」
『いえ。ただ＿＿＿＿黒妖精が何たるかを知る以上、粗雑な扱いはご法度だと知ってますから』
ルベルト「そうか……。ではエマ、彼らに会うことは可能か？」
エマ「えぇっと…確認してみます。みんな、いる？」
無反応。
うーん、この感じ……寝てるなぁ
結構気持ちよさそうに、ぐっすりと
これは、起こす他ないんだけど……ちょっと手を貸すか
『エマ、ちょっと鍵見せて』
エマ「う、うん」
鍵の意匠にそっと指を添わせる
この意匠は、彼女の力を引き出すものであり、彼ら黒妖精を繋ぐ力を意味する紋様だ
なら、私なら＿＿＿＿
指でトン、トン、と優しく意匠を叩く
そうなるように少し力を作用させたから、自然に起きられたはずだ
『みんな、少しいいかな』
ナヴィ《んん…えっと、誰だっけ君》
『シウだよ。起こしてごめんね』
ナヴィ《気持ちよく寝てたのに〜…で、何？》
ぶすくれたように文句を言う声色は、さほど不機嫌には聞こえない
どちらかと言うと軽口を言うような感覚に近く、不愉快な感じはしない
『今王様の目の前でね。君たちの存在と、意思確認がしたくて出てきて欲しいんだけど…個人的には、エマが力の使い方を理解するためにも、エマの力で呼びたい。いいかな？』
ナヴィ《ふぅん……あのさ、なんで確認したの》
『何が？』
ナヴィ《分かってて聞くの性格悪ぅい。こうやって態々鍵の中の僕らを起こせるってことはさ、この鍵がどんなものなのかも、僕らがどんな状況なのかも、知ってるんでしょ？
なのになんで？》
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ルウ(プロフ) - 新作おめでとうございます！「魔界の異邦人」や「前世は柱、今世はヒーロー？」も応援しています！体調に気を付けながら更新頑張って頂けたら嬉しいです。 なんといっても、零月 さんの作品は神作だらけですからね！私の生き甲斐です！ (9月21日 22時) (
レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
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