32話 ページ33
シウside
私があれだけ言って聞かせたというのに羽目を外して二日酔いに苛まれる同僚のフォローをしつつ、またどこか集中できていないエマのフォローもしつつ、本日の業務を終えた
エマはなぁ、ほんと、超がつくほどの善人だからなぁ
なんでこんなにって思うくらい素直で疑うことを知らなくて……箱入りか？って何回か思ったよ
そんな子が消費物にされるとか……あーまたイライラしてきた
世界って本当にクソだよなぁ
『…来たね、みんな』
エマ「シウちゃん、先に来てたんだ」
レコルドの王宮、その謁見の間にて、先に来ていた私はエマたちが来るのを待っていた
ランヌさんと、その向かいにいるギルド連盟の副会長であるインテルさん、そしてレコルド国王のルベルト陛下と共に
人もそろったので、ようやっとルベルト陛下が口を開く
ルベルト「よく来てくれた、”月渡り”諸君。そして…君が例の娘か」
エマ「お、お初にお目にかかります！世界ギルド連盟、本部所属＿＿エマと申します」
ベタなくらいに緊張するエマを、ルベルト陛下はそっと眺める
その目は探求心にきらめいていて、彼がどういう人となりなのかがよくわかった
ルベルト「ふむ…優しい色をした瞳の持ち主だ。だがその中に尽きぬ熱もにめている。一見平凡そうではあるが。どこかそれとはかけ離れているようにも見える」
現国王なだけあって、審美眼は確かなようだ
人をよく見て、見定められる人だな
こういうのを見ると、王様なんだなぁと思う
前世で王だのなんだのにはすっかり慣れているものでね
ルベルト「そして、君がグランドマイスター・シウか」
『恐れながら陛下、私は名目上既にグランドの名を返上しておりますので、その呼び名は不適切かと。何がどうあれ、今の私は一介のマイスターであり、ギルドキーパーです』
ルベルト「ああ、すまない。そうであったな。…穏やかに凪いだ、静かな瞳だな。しかし芯が通っている。鮮やかに灯っているが、歴戦の老兵のようにも見える」
『恐縮です。ですが後ろが引いているので、その辺で』
そこまで見抜くか。まぁだろうな
特に隠しているわけではなし、この人ならばそこまで見えるだろうとは思ってたし
インテル「事実上グランドマイスターであるにも関わらず、一介のマイスターか」
ランヌ「ギルドキーパーとしても、ベテランと言って差し支えないというのに…」
そんな苦笑いしないでくれませんかね
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ルウ(プロフ) - 新作おめでとうございます！「魔界の異邦人」や「前世は柱、今世はヒーロー？」も応援しています！体調に気を付けながら更新頑張って頂けたら嬉しいです。 なんといっても、零月 さんの作品は神作だらけですからね！私の生き甲斐です！ (9月21日 22時) (
レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
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