31話 ページ32
noside
朝早くに目が覚め、手早く身なりを整え朝食を取る
丁寧に整理された書類を見て不備がないことを確認する
そうしたら仕事着に着替え、手袋をはめる
昨夜は疲労困憊の同僚達と、情報を飲み込みきれていない同期と、気まずイ感情を上手く隠しつつ何かを決めたような目をした上司をレストランで労った後
これからまた“舞台”が始まるのだと思うと、息抜きをしたくなって、お気に入りの森に行って
それで日付けが変わったあたりで帰宅し、短い睡眠を取った
元々、マスターとして常に気を張っていたこともあり、短い睡眠にも慣れたものだ
寧ろぐっすり満足に眠るということに慣れず、違和感しか覚えない
部屋には常にサーヴァントがおり、死なぬように監視カメラなどで見張られ、
レイシフト先ではいつどこで危機に見舞われるか、気を張りっぱなしだった
カルデア内でも身を委ねることは出来ず、なにがあってもいいよう浅い睡眠を取るばかり
そして、眠ると稀に見るはずのサーヴァントの夢を見て、どこかしらの世界に繋がっている
そんな夜に慣れたせいで、普通の睡眠が取れなくなっているのだ
まぁ特に体を壊すほどでもないし、問題はないのだが
薬を飲むことがなくなっただけで随分と環境が変わっているのだ
これ以上変化を求めずともいいだろうとシウは思っている
前は前だが、切り捨てなければならないものでもないだろう
何もかも忘れ、何も知らぬ少女として生きられるほど、シウは愚かでない
ただ穏やかに暮らせるほど、前世の記憶は淡くない
泡沫の夢と言うにはあまりにも鮮烈すぎた
『さて、今日の業務は＿＿＿＿』
ピコン♪
と、キーパーズボードに連絡が入った
確認してみると、”ブルームーン”の方の納品が完了したとの報告がされている
”ガストロノミー”へ無事食材を運べたようだ
他のギルドからの報告もそのうち入るだろうと思いつつ、了解の意を伝える
前世ほどの発展はしていないが、魔術と科学の組み合わせで発展の速度は目を見張るものがある
この世界は世界でなかなか面白いとたびたび思うのだ
『順調なようで何より。遺跡の方は……うん、大丈夫そうかな』
今はこれ以上書き込まれないだろうと判断しボードから視線を外す
肩ほどまでの髪を手早く束ね、一括りにしたら
今日何が起こるのかを知りつつ、同じように出勤する
前世であれだけいろいろ経験してきたのだ、今更うろたえることなどあるはずもない
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ルウ(プロフ) - 新作おめでとうございます！「魔界の異邦人」や「前世は柱、今世はヒーロー？」も応援しています！体調に気を付けながら更新頑張って頂けたら嬉しいです。 なんといっても、零月 さんの作品は神作だらけですからね！私の生き甲斐です！ (9月21日 22時) (
レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
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