2話 ページ3
シウside
さて、私の勘はやはり当たっていて
短い一生を終えたと思ったら、そこは地獄でもなければ冥界でもなく、奈落でさえなく
全く別の、夢のあふれる世界だった
なんて皮肉かな？
夢もクソもない物語を走り終えて、めでたしめでたしはい終わりってなったら、今度は別の世界
それも、キラキラした夢を見る人が沢山いて、それ以上に絶望が渦巻く世界
夢の終わりは別の夢だった、ってか？
まぁーた消費されるのか……って、ちょっと鬱屈としたけど
ま、それでもなんだかんだ、一人として生き抜けてしまうのが私なんだよなぁ
ただ今回は、主人公であって主人公でない、って感じだけど
なんとなくね、物語の主人公はこの子だなって思う子がいてさ
私みたいに遣い潰されはしないけど、それでも、その子が消費される者なのは理解した
生贄にされるために、都合良く回すために、物語のために作られたような、底抜けのお人好し、悪性なんか知らない善人
私はそこに第三者視点やらなんやら、俯瞰した感覚を持ったちょっと変わった感じだったけど
その子が主人公なのは、理解した
同時に私も、所詮は消費される側なんだとも
ならさ、その子が無闇矢鱈に消費されるのはねぇ？
私のほうがマシでしょ
いや、自己犠牲とかじゃなくてね？
私はさ、いくら消費されたとしても、自分で自分を消費できる自信がある
生贄でも、人形でも、思うまま意のままの傀儡ではないと言い切れる
舞台上でも、自分の意志で動く事ができる
まぁ、あくまで演目に沿ってしか無理だけど……無知のままにいいようにされるのを眺めるよりは、ずっといい
世界のために一人が消費されるなんて、他に見たいと思うわけ無いだろ
……これ、オベロンもこんな感じだったのかなぁ
うん、これ、嫌だわ
そりゃあ自分が都合良く消費されるのは嫌だけどさ
目の前で何も知らない無垢な子が、集られ食い散らかされるのはほんっとに嫌だ
どっちのほうが嫌ってなったらどっちも嫌だけど、後者に傾く
ギルドキーパーなんて、夢を支える職に着いて出会ったその子が、少しでもマシになればなぁ
なぁんて思いつつ、今日もマイスター達のために奔走している私だった
うん、だったんだけどさ、ホント
君までこの世界に来てるとは思わなかったなぁオベロン？？？
懐かしいその顔は、綺麗な青を歪ませて、吐き捨てるように悪態をついた
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ルウ(プロフ) - 新作おめでとうございます！「魔界の異邦人」や「前世は柱、今世はヒーロー？」も応援しています！体調に気を付けながら更新頑張って頂けたら嬉しいです。 なんといっても、零月 さんの作品は神作だらけですからね！私の生き甲斐です！ (9月21日 22時) (
レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
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