15話 ページ16
シウside
私は、世界のすべてに望まれて
それで乞われるままに演じて、世界の、汎人類史のために自分を消費して、消費させられて
それで、やることやったらルール違反だろ？って追い出されて…
そんな、どうしようもないもんだったけどさ
でも、ただ好きに使われるのも癪だから、せめて舞台の中で「私なり」の満足を見出すことにした
まぁ、汎人類史を救えたんだし？
落としどころと言うか、なんというか。これは「満足してやった」って感じだけどさ
サーヴァントとの日々。特異点で見た景色。夢魔が美しいといってくれた、私たちの旅の紋様＿＿＿＿
そんなものから私は、私が幸せだと感じたものを見出して
消費されただけの人生で、くそったれだったけど
ま、この思い出は私がこの舞台を演じたからこそ得られた、私だけの報酬なんだ、ってね
誰に言うでもなく、なんとなく、そこに達成感を見たりして
それで、まぁまったく悪いことばかりでもなかったなって思えるんだからとんでもない
でも人間ってそんなもんだし、きっとそれでいい
人は、なにか満足したがる生き物なんだ
レノ「満足……」
『そ。夢を叶える過程は大勢いるけど、その夢は、自分のものなんだ
こういう自棄になったことも含めてさ、こんなこともあったって酒の肴にでもできるように、思うように掘りなって。マイスターってその最たるもんでしょ
それを支えていくのがギルドキーパーなんだし』
レノ「……」
『それに悶々と悩んでたみたいだけど、周り見てみなよ。くっっっっだらないって思えるから』
レノ「え？？」
『周りの職人なんて、やれスランプだやれ締め切りだ、って自棄酒したり発狂したり地獄絵図だからね？それでも職人続けるんだからまーーーイカレてんなって感じだけど。私ら含めて』
レノ「……っはは、確かに。うちでもしょっちゅうそうなってるよ」
『でしょ？どうせ職人だのキーパーだのやってる時点でイカレてるんだし。いい発散になったと思って、一辺石にぶつけてみなよ。案外面白い作品が出来上がったりして』
レノ「＿＿ああ、そう、そうだね。それもいいかもしれない」
『是非とも見てみたいなぁ、酒の肴に
それでさ、健気なキーパーちゃんもいることだし、笑ってそれで、また夢に向かえばいい
挑むのもいいけど逃げるのも大事だ。その先の、見るべき星を間違えさえしなければ、船は暗い闇の中でも目的地に辿り着く』
あなたは、逃げる選択肢があるんだ
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ルウ(プロフ) - 新作おめでとうございます！「魔界の異邦人」や「前世は柱、今世はヒーロー？」も応援しています！体調に気を付けながら更新頑張って頂けたら嬉しいです。 なんといっても、零月 さんの作品は神作だらけですからね！私の生き甲斐です！ (9月21日 22時) (
レス) id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
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