【降谷零】春夏秋冬の過程論【男主】 (ページ33)

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３３．だからお前はページ33

「……俺さ、お前とこれからも会っていい？」
「はぁ？なに急に……。」

Aはぽかんとした表情で黒羽を見つめた。そして、言われた言葉を反芻する。

「うーん、まあそりゃ、互いに休みなら……？ああ、毎日とか言われれば幼馴染とはいえ、流石に断りたいけど。」
「そういう意味じゃなくてさ、お前の中で俺が幼馴染のままで居ていいのかってことだよ。」

その言葉に、Aは更にキョトンとした後で、首を傾げた。

「はあ、なんで？」
「……だって俺、キッドだろ。」
Aは黒羽の言葉を聞いて少し考えると、ああなるほどと頷いた。

「……それに関しては、別に俺、正義感に溢れた立派な人間って訳じゃないし。」
「ん？」
「俺から通報することもなければ、逆に、仮にお前が捕まっても助けることも出来そうにないから、そこは期待すんな。……まあ、大丈夫だろうが最悪はしょうがないから刑務所に面会……くらいは行ってやろうとは思うけど。」
「オイオイ、面会って……。」

「だから、お前は今まで通り俺の幼馴染してくれればいいよ。」
「……、」

「それとも、何か？俺との関係が変わっちゃうかも〜って、快斗くんは不安なのかな？？」

Aは揶揄うようにけらりと笑ってみせる。すると、黒羽は少し照れ臭そうにそっぽを向いて呟いた。

「別に、変わらねーだろうとは、思うけどよ……。」
その様子を見てAは思わず笑う。

「じゃこの話終わり。なーんか疲れたし、早く寝よ。お前どうせこのまま泊まってくだろ？」
「え、いいのかよ？」

「おまわりさんだらけの外を歩きたいってんなら、止めないけど。」
Aがそう言うと、黒羽は「いやいや、」と首を横に振った。

「んじゃまあ、お言葉に甘えさせてもらいますかね〜。」
そう言って、彼はそのままAのベッドに横になる。

「お前さあ、せめて着替えてからベッド乗れよ、ほらこれ貸すから。」
Aはクローゼットからスウェットを取り出すと、黒羽に投げて渡してやった。

「へいへーい、」
黒羽は気怠そうに返事をして、それを受け取った。Aはその様子を見届けてからベッドに横になる。そして電気を消すと、二人揃って布団を被った。