ベイビーモチさんとサクラモチさん【JM】 (ページ23)

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口から口の中へ。
口の中から喉へ流れるそのシャンパンは
生暖かかった。

私は飲むのに必死なのと、
頬に触れるジミンさんのまつ毛と、
高そうな香水の香りと、
つまり何が起こってるか
まるで、わからなかった。

唇を離したジミンさんは
何事もなかったかのように
またグラスにシャンパンを注いで
飲み始めるから、私は呆気に取られた。

えーっと、夢？

JM「ジョングクに頭撫でられてなんで
照れてるの。好きなのは僕一人じゃなかったの」

冷たい声でそう言った。
私は口の横に垂れたシャンパンの液を
手でぬぐった。

JM「僕のことが好きなんて嘘でしょ？
他のメンバーにデレデレしちゃってさ。」

『あの、私、』

それどころじゃなかった。
たったさっき起こったシャンパンのくだりを
説明してもらいたかった。

JM「僕は卑怯かもね。君が僕から抜け出せないように強引にキスしちゃったね。でもほら、A可愛いし、初めてじゃないでしょ」

初めてだった。
そして夢じゃないらしい。
あれはキスだった。

JM「え？初めてだった？」

『………ｺｸﾘ』

JM「それは………………………………さすがに、
ごめん、」

ってジミンさんが下を向いた。

『ベイビーモチさんはジミンさんだったんですね』

JM「もっと早く気づいてもらいたかったよ。
僕のこと好き好きって魅力を語られると、
もっと僕ばっかりになってほしくなるよ」

『私、もう、ジミンさんばっかりですよ』

JM「嘘だね、僕は見てたよ。
ジョングクと話す時上目遣いしてたじゃん」

『そんな、』

JM「僕だけになってよ。
僕だけにして」

って、またジミンさんが
私の顔に触れる。

JM「僕ばっかりになって」

ホテルのスイートルームからは
東京の夜景が見えた。
その中には、いつもならテレビ見て
アイスを食べてる平凡ないつかの私がいるはずだ

でも今はこうして、
憧れの人と、なんでかキスをしてる。

憧れの人は、憧れとはちょっと違った。

アルコールのピリッとした
少し辛くて苦い唇だったし、
私の首の後ろに回された手は、
優しく包み込むようにじゃなくて
ガシッと掴まれてて、
テレビでみる、うるつやの髪ではなくて、
ブリーチを重ねたパサっとした髪で。

でもなんで。

私もっと、ジミンさんに恋してる。

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