JK ページ40
恋って、不思議だ。
そのことに、
俺は今まで気がつかなかった。
多分、今までの恋と
この恋は違うのかな。
この恋は特別なのかな。
見慣れた街が、
嫌なくらいキラキラして見える。
楽しいことも嬉しいこともないってのに
わけもなくなんかニヤニヤしてしまう。
ふと気づいたら、
その人のことを考えてる。
その度に、少しだけ体温が上がって、
誰かに見られてるわけでもないのに、
なんでか気恥ずかしい気持ちになる。
でも、それも悪くないって思ってしまう。
俺のことを嫌いになっても、
ジミンヒョンのことが好きだと言われても、
仕方がない。
ただ、俺は伝えたいだけだ。
Aは振り向く。
振り向いたら、
黒髪が揺れる。
夏の夜の風が、
走ってきて暑くなった俺のほおに
当たって、少しだけ涼しくなる。
え、好きな奴に告白するって、
こんな緊張すんの、？
って、
俺も俺で、俺のことを知らなかった。
不器用で、素直じゃない俺が
踏み出す一歩を、
笑わないで聞いてほしいんだ。
JK「急に呼び出してごめん、」
っていうと、
不思議そうに俺を見つめて、
走ってきて乱れた俺の前髪を、
背伸びをして整えてくれる。
それで、溢れるこの気持ちって、
きっと、本物だ。
好きだ、
好きなんだ、
俺は伝えたい、
伝えなきゃいけない、
深く息を吸って、
大きな声で。
JK「Aに、伝えたいことがあるんだ」
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2021年3月20日 21時
