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私の歓迎会とは名ばかりだった。
土曜日のお昼から夜にかけて、
私たちは日本食を食べた。
日本食はジミンさんとジョングクさんが
作ってくれるんじゃなくて、
私が作るという時点で、
歓迎会の意味が問われる。
JM「でもほら、ケーキ買ったよ」
JK「花束も買ったし」
『まぁ、そうですけど、』
まぁ、いいんだけど、いいんだけどね。
ケーキには私の名前。
日本語で
Aちゃん、いらっしゃい
って書いてるけど、
ぎこちない日本語で、
私の名前をデカデカと書きすぎて
字が後ろにギュッと詰まっている。
花束は、
青のバラとかすみ草。
私が青が好きなのを、
ジョングクさんはいつ知ったんだろう。
JK「うまぁ」
JM「日本食ってすごい」
JK「本場の味だ」
JM「Aちゃん、僕の奥さんになろう?」
『……なんでそうなるんですか』
ジミンさんの冗談に怒るのは私じゃなくて
何でかジョングクさんだった。
ジミンさんの首を手のひらで
力強くチョップして、
ジミンさんは口を尖らせた。
私はケーキと花束の写真をスマホで撮った。
嬉しかった。
不器用だけど、
私のことを歓迎してくれてる
2人の気持ちは充分に伝わったから。
『これからも、よろしくお願いします』
私が深々と頭を下げると、
2人は目を丸くさせた。
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作者名:やきにくさん | 作成日時:2021年3月20日 21時