7 ページ7
K side
「お前の気持ちはわかっとるつもりやけど、俺もお前を諦められへん。いまからでええから、本気で考えてくれへん？」
「お、くら、」
「俺は、お前が必要やねん。藤ヶ谷くんよりも。」
ズキンと心が音を立てた。
「名前出すんはズルいって分かってるけど、俺も必死やねん、許してな、」
腕の力が緩んで、代わりに暖かい手が、また頬に触れる。
「ひろみつ、断ってくれても構わん。けど一回本気で考えてほしいんやけどアカンか。」
大倉の瞳が、不安そうに揺れる。そっと自分の右手を大倉の手に重ねた。
「…俺、めんどくさいし、忘れられてねぇよ？」
「知っとる。いまから俺のこと考えてくれたらえぇから。」
「…わかった。ここに、いていいか、」
「っ！！ほんまか！よかったー…」
また腕が背中に回って、腕のなかに抱き込まれる。今度は俺も大倉の背中に腕を回した。
「よろしく、お願いします。」
忘れられるかはわからない。だけど、目の前の、俺を必要としてくれるこの人に応えたい。そう思ったのは嘘じゃない。
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
そう言って強くなる腕の力が、近くなった体温が心地よくて目を閉じた。
.
「明日の収録、ずっと○○スタジオか？」
「んー？そうだけど…」
それぞれ風呂に入って寝る前のまったりとした時間を過ごしているとき、予定を確認される。
「俺明日の終わり▲▲テレビやから近いし、迎えに行くわ。」
「え？いーよ。時間違うだろうし。」
「迎えに行ったらアカンか？多分俺の方がはよ終わるし、行きたいんやけど…」
甘い、今まで知らなかった顔が、俺を覗き込む。
「わ、かった、終わったら連絡する、から」
「よっしゃ！明日はどっか食べに行こかー！」
「ん、楽しみにしてる。」
にぱぁっと笑ってくれる大倉の顔を見て、明日の憂鬱な気分が少し鳴りを潜めた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 135人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
imtr(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！同じように思ってらっしゃる方がおられてなんだか安心しました。少しでもこのお話が気晴らしになっていれば嬉しいです！ (2021年2月22日 23時) (
レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 私もその発言にもやもやしていました…この話を読んで少し心が軽くなった気がします！素敵なお話をありがとうございました！ (2021年2月20日 15時) (レス) id: 81c528a286 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：imtr
| 作成日時：2021年2月18日 20時
