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K side


「なぁ、大倉、」

「んー?なんやー?」

「変なお願いしてもいいか。」

「変なお願い?なんや?」

「ちょっと立って。」


不思議な顔をしながらも、なんやなんやと言いながら座ったばかりのソファーから立ち上がる大倉。頭半分くらい高いその華奢な体に抱き付いた。


「きたやま?」

「俺はここに居ていいって、言ってくんね?」

……

「言うだけ、で、いいから。それ聞いたら、もう出てくから。」

………

抱き付いているので大倉の顔は見えないが、戸惑ってんだろうなということはなんとなくわかる。すっと腰に回していた手を離した。

「わり、変なこと言ったよな。」


顔は見る勇気がなくて俯いたまま謝ったとき、


「お前はここに居てえぇ。俺がおる。だから出ていくなんて言わんとって。」


ぎゅうっと抱き締められながら耳元で囁かれた言葉は何よりも甘かった。お願いして言わせた言葉なのに、なんだか心に刺さって、胸がきゅっと苦しくなる。これ以上は溢れてしまいそうで。


「ありがと、大倉。変なこと頼んで悪かったな。」


離れようとするけど、大倉の力が緩まない。


「ひろみつ、」


最近は呼ぶことも少なくなった名前が聞こえる。


「お願いされたからやない。ホンマに思ってる。だから一緒に住めへんか、ここで。」

「…え?」

「俺んとこに帰ってけぇへんか。俺がお前の居場所になりたい。」









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imtr(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます!同じように思ってらっしゃる方がおられてなんだか安心しました。少しでもこのお話が気晴らしになっていれば嬉しいです! (2021年2月22日 23時) (レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 私もその発言にもやもやしていました…この話を読んで少し心が軽くなった気がします!素敵なお話をありがとうございました! (2021年2月20日 15時) (レス) id: 81c528a286 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:imtr | 作成日時:2021年2月18日 20時

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