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K side
大倉は何も聞かなかった。
あの日家まで本当に迎えに来て、勝手に俺の服を何着かバックに詰め込んで大倉の家に連れてこられた。その日からずっとここにいる。ここから仕事に行って帰ってきて、眠る。
仕事の終わり時間はまちまちで、眠る時間もバラバラだったが、朝起きると何故か大倉が俺に抱き付いて寝ているか、布団に居なくてもリビングに行けばおはよーさんと言ってくれるのがなんだかくすぐったかった。必要だと言ってくれているようで、嬉しかった。
その日は翌日に控えた久しぶりの7人の仕事で憂鬱な気分だった。大倉の家で企画書を開くけど何一つ入ってこなくて。諦めてベランダに出てぼうっとしていた。
「何してんの？」
突然の声に驚く。大倉が帰ってきたことにも気付かなかった。
「そんなカッコで、寒ないん？」
「ごめん、気付かなかった。おかえり。」
笑ったつもりだったけど、うまく笑えているんだろうか。大倉の顔が少し歪んだ。
「薄着すぎや。風邪引きたいんか？」
「…かもな。」
「アホ。冗談や。」
大きな手が伸びてきて頬を包んだ。
「こんな冷えてもぉて。早よ入ろ。部屋も寒かったで。なんで暖房入れてへんねん。」
ぶーぶー言いながら部屋へと誘導してくれる大倉に甘えてしまいたくなる。窓とカーテンを閉めて座っとき、とソファーへ座らせられると出てくるマグカップ。
「生姜湯は暖かくなるんやでー。飲んどき。」
ふわりと笑って、やっぱり何も聞かない大倉がありがたかった。
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imtr(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます！同じように思ってらっしゃる方がおられてなんだか安心しました。少しでもこのお話が気晴らしになっていれば嬉しいです！ (2021年2月22日 23時) (
レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 私もその発言にもやもやしていました…この話を読んで少し心が軽くなった気がします！素敵なお話をありがとうございました！ (2021年2月20日 15時) (レス) id: 81c528a286 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：imtr
| 作成日時：2021年2月18日 20時
