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K side

いつまで、この恋を追い続けるのだろう


「うっそ!?やばい!行きたい行きたい!!」


見つめることさえ出来ない


「渉も一緒に行こうよ!!」


ただ、声を聞いてるだけの恋


「あーもー!渉好き!」


吐き気がする。





「ミツ?」

……


消えてしまいたい


「ミツ?大丈夫?なんか顔色悪いよ?」

「トイレ行ってくる。」


声をかけてくれた千賀に断って席を立った
自販機で水を買って、人が来なさそうな奥の方にあるトイレに入って指を口に突っ込んだ。


「オェっ…、んん、げほっ、はっ、」


さっき食べたものがそのまま全部吐き出される。すぐに流して見えなくしてから、水を飲んだ。それを、二度、三度。吐くものがなくなっても、この気持ち悪さが消えない。喉が痛い。
ドアにもたれるように座っていると携帯が震えて時間だと知らせてくる。はぁっと息を吐いて、個室を出たときに出会う人に息を飲んだ。


「ミツ。」

「た、ま?」


白く、アイツとは違う美しさを持つこの人が、なんでこんなところに。


「いつからこんなことしてるの」

「…なんの、こと、」


たまを避けて洗面台に行き、手を洗ってうがいをする。


「こんなの体に負担しかないでしょ。」

「だから、なんのことだよ。」


備え付けのハンドペーパーで乱暴に拭きながら鏡越しに睨み付ける。


「ミツ…」


玉の顔が曇る。だけど何も言ってやれない。


「別に、なんもねぇよ。もう準備の時間だから。お前も早くしろよ。」


振り返らずにその場を去った。
その日の収録はやけに玉の視線を感じたけれど、気付かないふりをした。別に、これが日常だから。今に始まったことじゃないから。こんなことで体調崩したりなんてもうしない。


「ミツ、」


収録終わりで掛けられた声に立ち止まる


「…なに。」

「もうやめなよ。」

………

「ミツが苦しんでるの、もう見てられない。」

「…何の話。」

「あんなこと続けるほど想い続けても、いいことないでしょ。」

「だから何の話かわかんねぇよ。俺、次もあるから。」


そう言って背を向けた。


「ミツ!」


立ち止まりはしなかった。聞きたくなかったから。
今度から場所変えないとな…それだけを考えていた。

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imtr(プロフ) - mさん» コメントありがとうございます!同じように思ってらっしゃる方がおられてなんだか安心しました。少しでもこのお話が気晴らしになっていれば嬉しいです! (2021年2月22日 23時) (レス) id: 768e339076 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - 私もその発言にもやもやしていました…この話を読んで少し心が軽くなった気がします!素敵なお話をありがとうございました! (2021年2月20日 15時) (レス) id: 81c528a286 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:imtr | 作成日時:2021年2月18日 20時

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