SnowManの桃色---10th

. ページ43

深澤side


照が佐久間の身体を起こすけど、まぁこんだけ熱出してて座位が保てるわけもなくて、ぐらぐらしてる佐久間。

首さえも安定しなくて、照の胸板に完全に身を任せちゃってる状態。


こいつほんとに食べるの？
って思いつつも、ゼリーを掬って佐久間の口元まで持っていく。

「さくまー？あーん」


口では食べると言い張るけど、さすがにな。


食べるなんて思ってないし、食べなくても怒るとかそんなんするつもりもないから最初からなんの期待もしてなかった。

なのに、佐久間はぱくんとスプーンをくわえて。
ゼリーなのに長いこと咀嚼して、いつもの倍以上の時間で飲み込んで。


「え、」

佐久間 「おいしー」

あーん、と次のひと口を待つ佐久間。

にっこにこな佐久間。


岩本 「てか佐久間、薬飲んだ？」

「あ、飲んでないかも、、」

岩本 「この勢いで飲んじゃおう」

照くんがサイドテーブルに置いていた薬袋を空いてる手で取る。


その途端、さっきまでご機嫌だった佐久間の顔が歪む。

イヤイヤと首を振る。


「さくま、気持ち悪くなっちゃうからそれやめよっか」

佐久間 「や、だ」

「やだよな。でも飲まないと、お前熱下がんないよ？」

佐久間 「下がる、もん」


そう言われたって、下がった試しがねぇじゃん。

無意識に、はぁと溜息をついてたらしく、佐久間の目から涙がぽろり。


目黒 「あー、ふっかさん泣かせた」

岩本 「お前なぁ」


めめと照から白い目で見られるけど、泣かすつもりなかったんだって。

てか照がいることもやばいけど、体調崩してる佐久間を泣かしたなんてしょうたとか阿部ちゃんとかにバレたらやばい。


あぁ、ラウもやばい。

舘さんあたりもやばい、、てかみんなやばい。


佐久間が絡んでくると、自分含めてだと思うけど相当過保護な俺達。


佐久間 「っ、ふ、、ぐす」

「さーくま、俺怒ってないよ」

佐久間 「んっ、、ふぇ」

「くすり嫌だよなぁ？でも俺達も佐久間がしんどい思いしてるの嫌だよ。早く治してほしいなって思うよ」


さーて、佐久間くんは良い子だから分かってくれると思うんだけど、どうかな？


佐久間 「のむ、」

「お、飲む？偉いじゃん」


薬なんて嫌な物、佐久間が何回も飲まなくていいように、この1回で少しでも落ち着いてくれたら、なんて。


finish...

ぎゅ、→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す