桔梗:竈門炭治郎 ページ1
「なぁ、A」
「なぁに、炭治郎」
火が、ゆらりゆらりと揺れる部屋の中。この部屋に今居るのは私と炭治郎の二人だけ。所謂、二人きり、というやつ。何時もなら此処に禰豆子ちゃんも居る筈、なのだが何故かは分からないがいつの間にか何処かに居なくなってしまっていた。さてこれは困った、というか折角の二人きりなのだから堪能すべきところなのだろうけれど…取り敢えずどうすれば良いのだろうか分からなくてそっちに意識がいってしまう。
一体どうすればなんて軽く頭を抱えていればふと突然、彼から名前を呼ばれる。一体何が、なんて考えながらもその呼び声に応えてみれば、彼は困ったように眉を寄せては小さく呟いた。
「……俺、A不足で死んじゃいそうだ。……その、だから……抱き締めても、良いか…?」
あ、いや、駄目なら良いんだ、何て慌てながらもそう聞いてくる炭治郎。でも顔は物凄く甘えたいです、何て表情をしていて。そんな顔されたら幾ら私でも断ることが出来ない。というか彼が甘えてくるのはこういう時だけなので逆に大歓迎だ。
「何言ってるのさ、良いに決まってるよ」
そう言って笑ってみせれば炭治郎は嬉しそうに顔を輝かせては後ろからぎゅう、っとほんの少し強い力で抱き締めてくる。それはもう、本当に大事そうに。それが何だか嬉しくて、心が満たされていくような、そんな感覚に陥る。嗚呼、こんな日もやっぱり悪くないなって、そう思ってしまう。
「ふふ、Aのこと、俺やっぱり好きだなぁ…」
「何、突然どうしたの?」
「いいや、こうしてると何だか、そう改めて思ったんだ」
お互いの温もりを感じながら、そんな会話を続ける。ふぅ、と炭治郎の吐息が耳に当たって何だか擽ったい。そう考えては反射的に身を捩ってしまう、が今己の身体は彼の腕の中。彼はくすくす笑うだけで身を捩る私を離してはくれなかった。…それどころか、更に強く私を抱き込んで、そっと耳元で囁いてくる。
「俺が、Aを一生守るから。…だから、俺の傍にずっと居て欲しい」
そんな彼の顔も、ほんのり赤かったのは、きっと気のせい何かじゃないのだろうな、何て。
(わあぁ、今顔は見ないでくれ!)
(ごめんもう見ちゃった)
▽桔梗の花言葉→「永遠の愛」「誠実」「清楚」「純情」
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西 - この方角に福があるはずです
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