グラジオの半分は優しさでできている (ページ2)

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特効薬2 ページ2

｢Ψ、何かあったのか？シルヴァディも、ご苦労だったな。｣
　｢ありがとう、シルヴァディ…。｣
　玄関の上がり口に座り、頭を抱える。横にはもふりとシルヴァディの温もり。腕を回して、もたれる。後ろに立つグラジオの視線を感じる。
　｢グラジオ…。｣
　｢頭、痛いんだろ。薬は、｣
　ばれてる…。しかも、結構痛い所を突かれた。
　｢忘れてた…｣
　｢…そんなことだろうと思ってな。ほら。｣
　｢…ごめん…｣
　水の入ったコップと、錠剤を渡してくれたので飲む。
　少しじっとしていれば治るだろう。そう判断して座っていたが、胴に腕を回された。
　｢ちょ、っと、大丈夫だって…。｣
　｢流石にそこじゃ休めないだろ。部屋まで連れてく。｣
　ぐいと持ち上げられて、身がすくむ。思わず握り込んだ手は冷えていた。
　｢自分であるけ、る｣
　｢そうか。｣
　手だけ繋いでもらって、自室まで歩く。少し頭を動かすだけでも、脈動するように痛む。ベッドの前まで着くと、グラジオは私を座らせて、自身も隣に座る。あ、頭撫でてくれてる…。薬のお陰でもあるが、少し痛みは減った気がした。
　しばらくすると何を思ったかグラジオが隣で体勢を変えたのが分かった。ベッドの縁に背中を預けて、胡座をかいて、腕を広げた。
　｢…こっち、来るか？｣
　｢～っ、グラジオぉ……！｣
　｢よく、頑張ったな…。｣
　｢うー…。｣
　のろのろとだがグラジオの膝に乗り、抱き着く。背中に腕を回してくれたので、私は胸に手を回す。頭痛薬よりも欲しかった温もりだ。まだ痛みは引かないけれど、ぐりぐりと鎖骨の辺りに顔を埋める。大好きな匂いを、めいいっぱい吸い込む。また、沢山頭を撫でられているのが分かった。しかし、薬が効き始めたのか、眠気が襲ってくる。
　｢このまま、寝とけよ。良くなったら起きればいいさ。｣
　｢うん、ありがと……｣

　
　幸せだ。そう思いながら私は目を閉じた。
　起きたときには、頭痛はすっかり良くなっていた。
　