グラジオとお家デートする話 (ページ1)

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久方振りにページ1

昔の話をしよう。
　そうグラジオに誘われた。私は二つ返事でOKを出し、当日はグラジオの家へ行くことになった。
　もうグラジオは21で、私は18。7年という歳月が経っても、私が島巡りをしていた頃となにも変わらない物も、変わったこともたくさんある。ハウが島キングになったこととか、私とグラジオの関係とか。そういったことを含めて、改めてお話をする機会があってもいい、そんな風に感じたのだ。それに、私もグラジオもなかなか忙しくて会えないし、デートも兼ねているのだろう。当日まで待ち切れなかった。
　

その日は私が直接家に向かうことになっていたから、リザードンフライトでエーテルパラダイスに向かい、研究所の奥の建物にあるインターホンを鳴らす。すぐにドアは開かれた。
　「よく来たな。久しぶり。殺風景かもしれないが、入ってくれ。」
　煌めく金色とカンラン石。グラジオは相変わらずの微笑みで私を迎えてくれる。蕾が綻んだようなこの顔が、私は大好きだった。あの頃と比べて背も大分伸びて、大人びた落ち着きもある。服は…あまり変わらないかな。白衣を羽織っている事が増えたくらいで。けれど、時折見せる鋭さとか、不思議な言動もそれとのギャップを齎していてどきどきしてしまう。
　「…はぁ。」
　「来ていきなりため息か、どうかしたのか？」
　「ううん、」
　「ん？」
　「グラジオのこと、大好きだなぁって。」
　「…フッ、オマエも言うようになったな…。」
　変わらない。やっぱり、すごく素敵。鼻で笑われても、無用心だと言われた過去も、今は良い思い出だ。

　積もる話はとめどなく、来たのは朝だったがもう夕方になってしまった。お昼までは想定内だったのだが。
　「いけない、もうこんな時間。」
　「そんなに気にすることか？」
　「だって、夕ごはんまでお世話になるわけには…」
　実際、昼食を作ったのは彼だった。作ると言ったが結局押し通されてしまった。ちなみにメニューは貝殻の形のパスタにトマトソース、それとほうれん草のコンソメスープ。前者はクリームソースでもないのにパスタによく絡み、程よい酸味が引き立っていた。後者はシンプルながらほうれん草のえぐみもなく優しい味だった。きっと8番道路のモーテルでも自炊していたのだろう。今は一人暮らしをしているけれど、長く実家暮らしだった私には____。