N.Y.1 ページ1
グラジオは、Ψと風呂に入りたかった。特に下心が無いかと言われれば無いと言い切れないが、ハウ曰く大切な人との入浴というのは、
「あったかくてー、とっても幸せだよー」
だそうだ。誰と入ったかはグラジオは追求しなかった。野暮だからだ。ハウはしまキングとなった後に別のトレーナーに襲名させ、カントーに渡った。それだけで十分なヒントだろう。相手に傷をつけたりしたら容赦はしないと釘を刺すに留めた。
まずはストレートに誘ってみることにした。
「Ψ、…オレと…風呂に入らないか？」
「えっなにいきなり。まだ朝だよ。」
Ψは顔を赤らめ、背を向けて台所へ。逃げられたと内心舌打ちするグラジオ。朝だからこそ、時間は沢山ある…等不粋な事は言わなかった。これ以上追い詰めれば、彼女が提案を飲む確率は格段に下がるのだ。長年の付き合いから、彼はそう確信していた。
少しトリッキィな案を考案するかと気分転換に外へ散歩に出ることにした。
シルヴァディをボールから出してやり、足取り重く午後の木漏れ日も長閑なシェードジャングルへ。そこで彼等の行く手を阻んだのはキュワワーというポケモンだった。南国の花らしく鮮やかな花々が、ぐるりとなって空間を囲んで揺れている。顔は、空色。
シルヴァディは敵意というよりは、興味深げな眼差しで相手を見ている。鼻をひくつかせ、匂いを嗅ぎ出そうという仕種まで、グラジオは読み取った。キュワワーも好戦的ではないようで、同じようにシルヴァディを見つめ返した。グラジオはもしかしてと思い、ボールを取り出す。自慢ではないがよくポケモンに好かれ、懐かれるのだ。今回も空のボールを取り出しただけで、小さく頷いてキュワワーはボールにおさまった。その後も彷徨してみたものの、特にこれといった収穫は無かった。キュワワーから手製の花輪を貰ったことが、グラジオのこの散歩における唯一の収穫であり、終結でもあった。未だにシルヴァディはキュワワーの残り香を嗅いでいた。グラジオの苦悩も知らずに。
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ザックの嫁 - 叶恵さん» それな（真顔鼻血） (2019年12月22日 11時) (
レス) id: 09090d6677 (このIDを非表示/違反報告)
叶恵 - かっ...かわいい！ハウ君ナイス！ (2018年1月5日 9時) (レス) id: ac88fdb633 (このIDを非表示/違反報告)
わお。 - おお。なんということだ。グラジオさんが可愛い。いや、くっっそ可愛い。起きた時のはずるい。女かお前はっ嫁にしたい← (2018年1月2日 1時) (レス) id: b2d559d9e7 (このIDを非表示/違反報告)
山羊(プロフ) - カーターさん» カーターさん、初めまして。釣られていただいて大変嬉しいです。当初は、お風呂という主題で嫌らしいお話にしていましたが、ありきたりなので止め、全力でほのぼの甘にしてみた末のお話です。いつでも、お好きな様に読み返してみて下さい。閲覧ありがとうございました。 (2017年4月24日 0時) (レス) id: 0099137934 (このIDを非表示/違反報告)
カーター(プロフ) - 初めまして。題名に釣られ、拝読しました！← 鼻血な展開だったらどうしよう！とも思いましたが、表現も嫌らしくなく、あったかくて、グラジオも彼女さんも可愛らしい雰囲気で素敵でした！また時々読み返しさせてくださいっ！夜遅くに失礼しました。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: 4077529587 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：山羊 | 作成日時：2017年4月17日 9時
