陳謝 麻美side ページ33
先に救急治療室に運ばれ治療を受け、その後私は医務室のベッドの上に居た。
目を覚ますと、無機質な天井が目に映る。
医師「幸いにも急所は外れていますが、出血量が多かったので、完全回復までには時間がかかります。出来るだけ安静にしていて下さい」
舞織「そうですか。ありがとうございます」
出入り口付近で舞織先輩と医者が話しており、医者が退出すると沈黙が続いた。
「私が、こんな場所に来るとは……」
重苦しい空気を払うように乾いた笑いを溢す。
日吉「まさか、自分とは無縁の場所だと思ってたか？」
「へへっ。まぁ、私、超健康ですし」
話さなきゃ。二人に。
意を決して、口を開く。
「私の父が、審神者狩りの会の設立者でした」
日吉「！ ……そうか」
「あの部屋で、父と会ったんです。紙面上では縁を切っても、結局は親子。私がいくら後天性の呪術を持っているとは言え、あまりにも呪術が似ているものですから、結局は遺伝なんじゃないかって思っちゃってて。あの男がクズだと言うのなら、私だってその遺伝子を受け継いだクズですよ」
舞織「そんなことないわ」
「そんなことありますよ。だって、毎日散々ネットに触れていながら、審神者狩りの被害者たちを助けられなかった。いえ、助けたところで私に得なんてないから助けようとしなかった、私欲に塗れたクズなんですもん」
ハッカーにならないかと誘われたあの日、もし断っていたらこんなことにならなかったはずだ。
「審神者狩りの会の首謀者の娘が、実は政府本部のハッカーだったなんて知られたら、大事になりますよね。あーあ、私クビですかね。中卒だし、お先真っ暗だぁ」
あっけらかんとしたように喋り続けるが、次第に言葉が引っかかって発せられない。
「ごめん、なさいっ……」
たちまち涙が視界を奪い、滝のように溢れてくる。
日吉「じゃあ俺たちもクズだな」
彼の予想外の返答に、思わず涙が引っ込む。
「何で、そんな考えになるんですか？ 馬鹿なんですか？」
舞織「そうね、馬鹿よ。後輩のピンチに駆けつけられない私たちなんて、先輩のクズも同然じゃない。麻美ちゃんが居ないと碌にハッキングも出来ないし。今後も麻美ちゃんに頼るつもりよ？」
子供っぽく笑う二人の姿に、ピクリと口角が上がる。
「……っ、しょうがないですねぇ」
あの時ハッカーになるという選択肢を選んだのは、案外間違いではなかったのかもしれない。
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凛音 - あと、最後まで物語を書く人があまりいなかったので最後まで書いてくれてとてもうれしいです！最後まで物語を読み終えた達成感がとても感じられました！ (2月12日 21時) (
レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
凛音 - 最初から最後まで読ませていただきました。今まで私が見てきた復讐系の作品の中で一番好きな作品です！そして復讐系はここ最近全然見ていなかったんですけど久しぶりに見た作品がこの作品でよかったと思いました！復讐系のでこの作品をこえれるのは無いなと思いました。 (2月12日 21時) (レス) @page50 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください！ (2021年9月6日 4時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
ショートケーキの赤いヤツ - 復讐系は読むことが少なかったんですが、とても面白いです。夢主ちゃんのために極までいく乱・・・素敵でした！更新楽しみに待ってます！ (2021年8月10日 12時) (レス) id: 4120331ea8 (このIDを非表示/違反報告)
華音(プロフ) - 初めまして（＾ν＾）刀剣乱舞大好きで初めの『私はあんな姉〜』から全て最新話まで読ませて頂きました♪とても面白いです(*^^*)復讐に関しては思い付いたらコメントしますね☆それでは次のお話を楽しみにしております(*≧∀≦*) (2021年1月25日 12時) (レス) id: 85eea2d6ee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まじゅっちゃん | 作成日時：2019年11月30日 16時
