【刀剣乱舞】私はみんなから見捨てられていなかったみたいです。

十日　〜山姥切side〜 ページ38

主が本丸に帰ってきて十日が経過した。



堀川「兄弟、また歌仙さんがその布を洗わせてくれって言ってたよ？」



「……ふん、写しの俺には、これぐらい汚れているのが丁度良いんだ」



部屋の隅で体育座りになり、布を深く被る。



体調を崩して苦しんでいた兄弟も、今となっては凄く元気になった。



堀川「まぁ、兄弟が良いならそれで良いか。あ、ちょっと兼さーん！」



兄弟は和泉守の元へ行ってしまったので、部屋には俺一人だけ。



しばらく体育座りのままでいたのだが、少し主の様子が気になったので主の部屋へと向かった。



襖を開けると、幸いなことに誰も居なかった。



「……なぁ、アンタはいつになったら目を覚ますんだ？」



そう問うても、当然ながら主は答えない。



「アンタが目を覚まさないと、兄弟たちがずっと心配したままだぞ……俺もだが」



何だか恥ずかしいことを言っているような気がして、誰も見ていないと分かっていながらも真っ赤になった顔を隠すため、布を深く被る。



「は、早く目を覚ますんだぞ……」



それだけ言い残し、誰かが来る前に部屋を出る。



みんな、アンタが目を覚ますのを待ってるんだぞ。

夢→←一週間　〜鶯丸side〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す