【刀剣乱舞】私はあんな姉のコピーじゃないので新しい本丸で暮らします。

おにぎり ページ27

『みんなお待たせ！ A特製おにぎりと、こんのすけにはいなり寿司だよ！ まだまだあるから、沢山食べてね！ 他にもお腹を空かせている刀剣が居ると思うけど、その子たちにも持って行って良いからね！』



大広間の中央に置かれたちゃぶ台に、沢山のおにぎりが乗せられた大皿を置く。



今剣「いっただっきまーす！」



今剣の声を合図に、刀剣たちはおにぎりに手を伸ばしていく。



乱「んー！ このおにぎり、すっごく美味しい！」



前田「梅干しが入ってます！」



平野「こっちは鮭です！」



小夜「……兄様たち、こんなにおいしいおにぎり初めて食べたよ……」



宗三「本当ですね、お小夜」



江雪「……和睦ですね」



無邪気におにぎりを頬張る彼らの姿が、とても愛おしく見える。



清光「主ー、安定が主にお礼言いたいって」



『無事に目が覚めて良かった。痛むところはもう無い？』



安定「うん。僕を救ってくれてありがとう、主」



『いえいえ。みんなの傷を治すのは、主として当然のことだから』



山盛りだったおにぎりが三分の二も減っていたので、おかわりを作るために再び台所の前に立つ。



『二人は食べなくて良いの？ お腹、空いてるんじゃない？』



お米に具材を詰めながら、燭台切光忠と歌仙兼定に問いかける。



歌仙「人間の作った物なんか、食べるものか」



燭台切「僕も少し、人間が作った物を口にするのには抵抗があるな……」



『毒が入ってるって疑ってるなら、あのおにぎりを一つ食べてみたら？ 現にあの子たちが何の疑いも無くおにぎりを食べてるのが何よりの証拠なんだけどね。だから、おにぎりに毒が入ってる心配なんて必要無いよ』



厚「大将！ 大将も一緒に食おうぜ？」



『うん！ おかわりはあるけど私のも残しておいてね？ ……はい、私を殺そうって思ってるなら、まず体力をつけないとね？』



おにぎりを差し出せば、案外すんなりと受け取り、口に運ぶ二人。



燭台切「……美味しい」



歌仙「こんなに美味しい物を食べたのは、いつ以来かな……」



『食べれてんじゃん。今度、私にフルーツタルトを作ってよ。歌仙、みっちゃん』



燭台切「勿論だよ、主」



歌仙「仕方ないな。主に頼まれた以上は作らないといけないね」



微笑むみっちゃんと苦笑する歌仙。



良かった。嬉しかった。私が作った物を、初めて喉に通してくれたのが彼ら刀剣で。

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