政府の隠し事 ページ37
『あー、終わったー』
定例会終了後、席を立ち、今日の定例会の司会をしていた胸元にピンバッジを付けている政府の新米役人のもとへ行く。
『あの、天瀬麗羅について何かご存知ですか? 私の姉なんですけど、最近連絡が全然取れなくて心配で……』
涙目にして少しだけ俯く。
その様子を見兼ねたのか、新米役人は手にしていたタブレットを起動させる。
日吉さん曰く、胸元に藍色のピンバッジを付けている新米役人は口が軽いらしい。その為、私はまだ政府の規則などを把握しきれていない新米役人に近づき、アイツの情報を聞き出そうと考えたのだ。
新米役人「申し訳ありませんが、麗羅様に関する情報は見当たりません」
まるで機械のように感情を対して込めずに淡々と告げる新米役人に一瞬恐怖を感じながらも、こちらも負けじと今度は声を震わせる。
『そう、ですか。手紙でもこんのすけに伝えるでも良いので、何か姉に関する情報を見つけたら教えてください。私の、たった一人の姉なんです』
新米役人「……はぁ、承知しました。何か情報を見つけ次第、こちらからお伝えさせていただきます。私は会議があるので、これで失礼させていただきます。それから、私は佐々木と申します」
去り際に舌打ちをする新米役人が部屋から出て行ってから、私と長谷部だけの空間となった。
『……あぁっ! もうっ!』
手にしていた資料を机に叩き付け、資料を破くくらいに握り締める。
政府のくせして、アイツの情報が一つも見当たらないなんておかしい! これじゃあ、復讐出来ないじゃん!
長谷部「主、一度席について気持ちを落ち着かせてください」
『あ、あぁ、ごめん。そうするよ』
近くの椅子に座らせてもらい、額に手を当てる。
『ねぇ、長谷部』
長谷部「何ですか?」
私の顔色を心配そうに伺ってくれている彼に問いかける。
『もし私が幼少期からとある人物に対してドス黒い復讐心を抱いてたとしても、長谷部はそんな私を受け入れてくれる?』
長谷部「勿論です。俺は、この身が滅びるまで主に忠誠を誓っていますから。俺だけではありません。貴女に忠誠を誓う者は皆、どんな主も受け入れる覚悟はできています」
『……それなら良かった。安心したよ』
良かった。本当に。
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月姫(プロフ) - 続編おめでとうございます!最後に姉sideがきたのが嬉しかったです!日吉さんと舞織さんの会話も気になりますので、更新頑張ってください! (2018年4月20日 21時) (レス) id: 0b4b9a8bd2 (このIDを非表示/違反報告)
まじゅっちゃん - 液晶よ邪魔だ、どけさん» わざわざありがとうございます!更新頑張らねば! (2018年4月15日 14時) (レス) id: 3901ea4c7e (このIDを非表示/違反報告)
まじゅっちゃん - 十六夜さん» 夢主は強い。だからこそ、どんな試練が来てもどうやって刀剣たちと共に乗り越えられるのかが見所です。ほんっと、クソ政府なんて滅べばいいのに(笑) (2018年4月14日 16時) (レス) id: c4baafbcb4 (このIDを非表示/違反報告)
液晶よ邪魔だ、どけ - 面白過ぎて更新されていないか覗きにくる最近です。主人公の性格がドストライク!更新頑張ってください! (2018年4月14日 15時) (レス) id: 969ac3a2f0 (このIDを非表示/違反報告)
十六夜 - 不穏な予感を最後に残していますが、私としては、夢主にこれ以上の不幸が来てほしくないと思ってます。ブラック政府マジで許すマジ!でも、夢主ならどんなことでも乗り越えていける。刀剣たちと共に。今度こそ、刀剣たちと夢主で幸せになって欲しい!更新頑張って下さい (2018年4月14日 11時) (レス) id: 625c8539c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まじゅっちゃん x他1人 | 作成日時:2017年12月25日 12時