Torch lily (ページ6)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:17,943 hit

六ページ6

気がついたら俺はベッドの上だった

見たことの無い天井

見たことの無い家具

「…どこやここ…」

覚醒しきってない頭で辺りを見回していると扉が開いた

「あ、起きた！濵ちゃん！淳太起きた！」

「っ、うるっさ…」

どうやら声の主はしげみたいや

でっかい声で濵ちゃん呼びに降りてった

「っ、淳太！大丈夫か？！」

「ん…大丈夫…」

駆け込んできた濵ちゃんによると俺が倒れたあと、三人が病院に連れていってくれたらしい

過労による体調不良やと診断された俺は点滴を打ってもらい濵ちゃんの家に引き取られたところまでを聞いた

「…あきと、かえったん？」

「あ、照史なご飯買いに行ってくれてん」

「もう帰ってくると思うで」

三人も居るんやったら絶対バレる

せめて二人やったら、自分の家やったら何とかなるけど三人も居る上にここは濵ちゃんの家や、どうにもならん

「…ぉれ、かえる」

「っ、はぁ？！何言うとんねん！」

「お前自分がどんな状態か分かっとんのか？！」

「かえらな、あかん」

「顔色見て見ぃ！真っ青やないか！」

「でも、あかん」

「っ、淳太！」

俺はベッドの横に置いてあった鞄を持って部屋を飛び出した

でも、立つだけでフラフラしている俺に走れる訳もなく直ぐにしげに捕まってベッドに連れ戻されてしまった