Torch lily (ページ5)

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その日は雨が降っていた

でも、野外ロケは強行されて俺の体調はどんどん悪化していった

次第に立っていられなくなった俺はよろけて隣に居たしげにぶつかってしまった

「…淳太？どないしてん…っ、淳太？！おいっ！」

「っは、ごめっ…よろけたっ…」

「照史！濵ちゃん！淳太がっ！」

座り込んでもた俺は立とうとしたんやけど立てへんかった

しげに呼ばれて来た照史と濵ちゃんが俺をロケバスまで運んでいった

「どないしたんや淳太、しんどかった？」

「ちがっ、やけどっ…んっ…」

「っ、吐く？！濵ちゃん袋っ！」

「だっ、じょぶっ…んぅっ？！」

「我慢せんと吐いてまい？しんどいやろ？」

でも、どうしてもみんなの前では吐く訳にはいかんかった

俺が吐くのは花やから

「…淳太くん、俺ら外居ろか？」

「っ！」

「…分かった、外居るから大丈夫なったら呼んで」

やっぱり照史には敵わん

メンバーからしたら信頼されてないんかなって思わざるを得ない行動やけど俺にとってはそれに同意するしか無かった

「んっ…おぇっ、っは…」

二人が出てから俺は持っていた袋に花を吐いた

オシロイバナ、ヤブラン、コリウス、マリーゴールド、ガーベラ…

沢山の花を吐いた

それはもう袋から溢れるくらいに沢山

俺は薄れる記憶の中で袋の口を閉じ、自分の鞄に入れた
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花言葉

オシロイバナ：臆病
ヤブラン：隠された心
オレンジのガーベラ：我慢強さ
コリウス：叶わぬ愛
マリーゴールド：悲しみ