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第5話 ページ5

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観覧車がちょうど一回転し、私たちはようやく地上へ降りた。

『次、どうします?』

私が2人に問いかけると、浦田さんはこの遊園地のマップとじっくり見つめあっている様だった。
坂田さんはと言うと周りをキョロキョロと。
何かを探しているのだろうか。

『坂田さん。どうしたんですか?』

さ『いや、トイレ行きたくて!』

坂田さんは少し恥ずかしそうに言った。

う『じゃあ、ここで待ってるから。早く行ってこい』

さ『ありがと!』

 ̄  ̄  ̄  ̄  ̄
坂田さんが遅い。
ここから一番近いトイレはアトラクションで隠れて目立たないが、そう遠くはないはず。

浦田さん曰く、坂田さんのトイレは新幹線並だという。
もう20分くらい経っているのにまだ帰ってこないのは迷子にでもなってしまったからなのか。

『探しに行ってきましょうか?』

う『男子トイレだけど?』

そうでした。私、女でした。

う『俺行ってくるよ。居たら電話する』

遊園地限定のカチューシャを付けた浦田さんが坂田さんを探しにこの場所を離れていった。

何気に楽しんでいるのがちょっと可愛いと思ってしまう。


...!
そういえば、遊園地に1人でポツンと居るのなんか寂しい。待って、行かないで!!
と言っても伝わる訳ではなく。

怖い。

ここを離れるわけに行かないし。
いつもより時間が長く感じる。

周りからジロジロ見られているのは、私が迷子だと思われているのだろうか。

ティロリン

スマホにメッセージアプリからの着信が来た。

浦田坂田居ない

浦田周辺にも居ない

浦田迷子かもしれない

浦田三雲ちゃんはそこで待っていて

素っ気ない返事の奧からは相当な焦りが見えた

迷子とは本当だろうか。

だとしたら、私も探しに行った方がいいのではないのだろうか?

動きたいけど待っていろと言われた以上、動くことは出来ないのだが、私も探しに行きたいという気持ちで体がうずうずしてしまう。

さ『三雲ちゃーん!!』

坂田さんの声がする。

...坂田さん?!

ぐるりと声のする方へ振り返る。

さ『ちょっと来て!!』

坂田さんが見つかったんだ。ここを離れてもいいよね?

坂田さんの方へと近ずいて行く。

ん?坂田さんと一緒に誰かいる?

そこに居たのは、多分観覧車から見えたであろうあの迷子の子。

黄色い服の子だった。


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FIGHT。

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作者名:ぼたもち。 | 作成日時:2020年10月25日 8時

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