優しく微笑む君が。 ページ29
ついた駅に降りて改札を抜けた。
そこは東京とは思えないくらい、緑が広がった場所だった。
櫻井先生に貰ったメモを見ながら、急ぎ足で歩いて行く。
…こっちの方の…病院？
メモを辿ってついた場所は、お世辞にも綺麗とは言えない、古びた病院だった。
ひび割れがあったり、看板の「大野病院」の文字も掠れてる。
キィ…と少し重たい扉を開けて中に入ると、外とは全然違くて、予想以上に綺麗だった。
和「すいません、お見舞いに来たんですが…」
白衣を纏った男に声をかけると、少し驚いたような顔をしてからふにゃん、と笑った。
「…君がウワサの、和くん、かな？」
小さく小首を傾げて言う。
和「…なんで、俺の名前…？」
そう問うと、先生はふわふわ笑いながら言った。
智「俺は、大野智。
Aちゃんから聞いたよ、大切なヒトだって…。」
大野先生はそう言うと淋しそうな顔をした。
智「…写真をね、相葉ちゃんに見せて貰った。
2人がキスしてる写真。
俺はAちゃんの泣き顔しか見たことなかったから…羨ましいな。」
…大野先生の発言に、小さな違和感。
智「Aちゃんってさ…どんな子だったの？」
…まさか。
智「俺は2日しか一緒にいれなかったからさ…」
大野先生の頬を涙が伝った。
…嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
和「…Aは…」
智「…ついさっき、病気が悪化して…亡くなったよ…」
ガクン、と膝が折れた。
フッと意識が飛ぶ、その瞬間…
優しく微笑む、君が。
見えたような気が、した。
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か〜なん(プロフ) - のんさん» コメントありがとうございます！お返事が遅くなってしまってすいません…・もうすぐ完結の予定なので、最後まで付いてきて下さると嬉しいです(*´∀｀*) (2015年2月28日 22時) (
レス) id: d79f013d4a (このIDを非表示/違反報告)
のん - すごく.ドキドキする話で早く続き読みたいです! (2014年8月21日 8時) (レス) id: e8d2e5b18c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：か〜なん | 作成日時：2014年8月9日 1時
