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「それと、最後に」
「………はい」
よし、飲み込めた。
若干間は開いたけど、ちゃんと返事出来た。
「……跡取りの話の件だが」
「………」
何だよ、またその話か…
「僕は、1つだけ君に伝えないといけなかった事を、ちゃんと伝えられなくて、ね」
「………何を？」
「僕はね、君がクラエス家の跡を継いでも、別の道に進んでも良いと想っている。それは君の自由だし、君の人生なのだから、好きに生きたって良い」
「………」
「……ただ、勉強が出来ないとか、自分に自信がないとか、取り柄がないとか……そういう自分を蔑む様な理由で、将来の道の選択肢を勝手に閉ざして欲しくはないんだ。
君はまだ子供だし、色んな事をやりたい年頃だ。クラエス家の跡取りという道は、努力に努力を積み重ねて、それでもダメだったら、別の道を進むのも1つの手だし……
その方が、前向きで良いんじゃないかって、僕は思っている」
「………いや、それでもダメだったらって、それが既に後ろ向きじゃ」
「後ろ向きなんかじゃあないさ。ほら“当たって砕けろ”……だろ？」
ふふふ、とお父様は笑みを浮かべる。
何だよソレ、と思いつつ、少しだけ胸が軽くなるのを感じた。
お父様は別に、俺に無理強いさせた訳じゃない。
俺を諦めたから、キースを養子にしたんじゃない。
顔見知り程度の使用人達の様な、誰かからの圧力に押し潰されそうになっていた俺を、お父様が見てくれたのは確かだ。
多分だけど、一番俺の心に圧をかけていたのは、俺自身なのかも、な……
その後、遅れてやってきたキースとカタリナも、夕飯を取り始める。
わぉ、2人共目腫らしてる。すげぇ。
で…キースはいつもより少し食べるスピードが速いが、それでもマナーを守っており、丁寧だ。
スピーディだな。
で、一方のカタリナは……
「カタリナ。もう少し落ち着いて食べなさい。ご飯は逃げないよ」
「……食事取り始めたのが遅かったはずなのに、もう食べ終わりそうだな」
「義姉さん凄い…」
うーん、見ていて気持ち良い。
……
結局、その日はお母様は姿を現さなかったけど
お父様は、いつも以上にキリッとした顔だったから……多分、行動を起こすのは間違いないだろう。
それが吉と出るか凶と出るかは不明だが、いつまで経っても進展がないのは、きっと俺達家族の関係は悪化する一方だし。
着実に、進んではいる…よな？
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桐谷 - ohanaさん» 返信が遅くなり申し訳ございません！ありがとうございます！マイペース更新ですが、第3章も頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします！ (2021年6月4日 23時) (
レス) id: f26afb3430 (このIDを非表示/違反報告)
ohana(プロフ) - 日々更新するのが楽しみなぐらい好きな作品です！今後も、応援してます、頑張ってください！ (2021年6月2日 22時) (レス) id: 43410ab91f (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - 結城さん» コメントありがとうございます！結構な低更新ですが、今後とも頑張っていきます！ (2021年5月24日 20時) (レス) id: f26afb3430 (このIDを非表示/違反報告)
結城 - 物凄く面白いです！！何回も読み直しました！！！続き楽しみに待ってます！！！！ (2021年5月24日 0時) (レス) id: ca8b7f5d28 (このIDを非表示/違反報告)
桐谷 - 七夏さん» コメントありがとうございます！本日久々に更新致しました。今後ともよろしくお願いします！ (2021年3月7日 23時) (レス) id: 98fa4274c2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：桐谷 | 作成日時：2020年12月19日 23時
