純情ブルーローズ【佐野玲於】

久しぶり ページ21

Aside






リビングのソファに座って携帯とにらめっこすること約1時間


画面に表示されてる " 佐野玲於 " の文字



どうしても通話ボタンが押せない






玲於くん出なかったらどうしよう

それで折り返しの電話来なかったらどうしよう


出たとしてもなんて話そう




ごめんね？

…なんか違う



ご飯行こう？

…そう送ったのに無視されてるし




どうしようどうしようどうしよう








「 うわっ 」






急に手の中の携帯が震えて、画面には、


玲於［ 今からちょっとだけ行けない？］




今から？

時計を見ればまだ20時前




A［ 行ける！］


玲於［ じゃあ、いつもの席で ］




秒で送れば秒で来る返信

携帯を閉じてバッグにしまって上着を羽織って



ふふふ

久しぶりに玲於くんに会える




さっきまでの不安なんてどっかいっちゃって

嬉しくて嬉しくてヒールなのについ走ってしまう






A「 おじちゃん！こんにちは！」


「 いらっしゃいAちゃん。今日も玲於？」


A「 うん、まだ来てない？」


「 来てないよ。」


A「 そっかー、来るかなあ。」


「 約束してないの？」


A「 してるんだけど… 」






______ カランカラン






「 いらっしゃい、玲於 」




私の前にミックスジュースを置きながら、ドアから入ってきた玲於くんに声をかけるおじちゃん



よかった

玲於くん、きた





玲於「 こんちは。俺もジュースちょうだい。」


「 はいよ 」


玲於「 あざす 」






もう用意してたのか秒で出してくれたジュースをすぐ飲んだ玲於くん


一週間ちょっとぶり





玲於「 ごめん、ライン。送信できてなかったのさっき気づいて。」


A「 ううん、全然平気。」






つい1時間前までは、全然平気じゃなかったけど

その一言でなんか一気に、安心した







.

直球→←ちっぽけな不安

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す