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ぽかって口開けて見上げた私に、ホソクさんはカラカラ笑った。
HS「怖いじゃん！体に穴開けるのなんか〜！だから今のAちゃんの気持ちめちゃくちゃわかるよ」
そう言うと私の隣の椅子にするっと座って、緊張して握りしめてた手を取って。
HS「やめてよいいよ。全然良い。でも、開けたいんでしょ？そんなら、応援するから」
HS「Aちゃんは勇気あるよ。ほんと。一人で知らない国に来て、そこでこうやって仕事ちゃんとできてて。まだ二十歳だってのに。一人の足で立ってるよ」
HS「俺、君をほんとに尊敬してる」
たかがピアスのことで、そんなって思ったんだけど。
たぶんホソクさんは、私がサブマネ離れたことの話をしてるのわかって。
私は、ちょっと、いやかなり弱ってるとこだったから。
こんな風に誰かに優しくされることなんか、想定してなかったから。
こんな全肯定、真正面に浴びるなんて、思ってなかったから。
勝手に決めてごめんなさい、て伝えたいのに、唇がどうしようもなく震えて何も言えなかった。
「はい、開けますよー」
スタイリストさんは私が落ち着くの待ってから、手慣れた様子でパチンパチンって。
本当にあっけなく二箇所、さらっと開けてくれた。
ホソクさんは、もう良いですって強がった私の手を握ったままでいてくれたけど、実際開ける時は私よりも緊張して目をギュッとつむって、開ける時の音に一々
HS「ひえ！」
HS「うわぁ！」
て叫んでうるさくて、全然痛みなんか感じなかった。
『ホソクさん、もう終わりましたよ』
声をかけたら、スタイリストさんが爆笑しながら
S「どっちが付き添いだか！」
て。
ほんとだよ。
ほんとに、ほんとに。
『ありがとうございました。居てくれて』
私はそばを、離れたのにね。
胸が切なくて、温かい。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年3月27日 6時
