☆ ページ20
そんなに厚いドアじゃないから廊下に声が漏れたらさすがにまずくて、とっさにキスでAの口を塞いだら、案の定んーんー言ってる。
その声が、下腹部に響かないわけがない。
本能の赴くままに舌突っ込んでと言いたいとこ、少しの理性がそれを止めて、Aのためにその痛みを散らしてやろうと、意識をこっちに向けさせるため舌先でゆっくり唇を舐めた。
そしたら。
フ、て鼻でちょっと笑ったよ。
海苔と、ごま油。
キンパ食ってるのかな、俺。
このキスが、無理やり奪うようなことしてるからなのか。
それともテヒョンイヒョンはこんなことしてないだろうって、優越感にも似た何かのせいなのか。
背徳感が麻薬のように俺の背中を撫であげて、ざわっと気持ちいいのを脳にがつんとキメてきた。
今までしてきたキスと、どこが違うって？
同じだよ。
柔らかくて、押し当てるだけなのに、なぜかムラムラとドキドキが止まらなくなるこの行為。
ただ、興奮度の方は過去イチすごい。
鼻を刺激するAのシャンプーなのか何かの甘くて良い匂いとか、押さえつけてる体の華奢な感じとか、捕まえた首の細さとか。
思ったよりもずっと少女めいた体をしてることに気付かされて、それは正直好みのタイプど真ん中。
嫌がって抗ってる腕も足も意外と強くて、ちょっと力入れなきゃ行けない感じ、なにこれ野生の本能？
やばいぐらい興奮する。
Aの開けたい場所のリクエスト聞き忘れたから、適当にピアスがあると可愛いとこ開けたけど、軟骨のとこに打ったからその痛みは容易く想像が付いて。
痛みに喘いで震えてる意識を、キスに意識持ってったらマシだろうと、キンパの唇開けてって舌で合図するけど、びくって震えるだけで口開ける気はないみたい。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年3月27日 6時
