☆ ページ21
そっちがそうなら開けずにいられないようにしてしまおうかと、胸に触れたのは… 軽く、脅かす程度にするつもりだったんだ。
最初は。
でも、止まるわけないよね。
好きな女の子の、体だよ？
てか、なんだよこれ。
なんでこんなに、柔らかいわけ？
手のひらが伝えるその感触が、分厚いブラのパット越しじゃなくて。
そこに多少の布地の厚みと硬さはあるけど、触れたらさ明らか薄地の、その向こうの肌の熱すら感じそうな距離の近さと、思わないじゃん。
大きさは、まあデカくはないだろうなって、予想はしてたけど。
まじ小さい。
子供かよって思ってしまうサイズ感。
それでも、カーンって一瞬で揉みたい欲望がカンストしてしまって。
これがAのって思って、つい、ぐにゃ、て軽く揉んだらそれはそのまま形を変えて、指の先には皮膚の向こうの肋骨の硬さ。
ぐら、と世界が傾ぐような感覚があった。
やばい、
勃つ、
て思った瞬間、
「っだーーーー！！！！」
俺の体の下からいつの間にか自由になってたAの両手が、俺の耳掴んで、何の遠慮も無い力で捻った。
耳につけたピアスが、てかそもそも繊細な器官だから、目の前に星がちらつくくらいの痛み。
俺は咄嗟に体起こして耳にある手を振り払って、
「何…！！お前…！！！」
痛過ぎて涙が浮いて、Aを見下ろして睨んだ、ら。
今Aにしたこと、
全部後悔した。
『最低。最悪。私の上からどけよ、変態』
見たことないくらい冷たい目をしたAが、眉をハの字にして唇振るわせて。
恐怖と非難と嫌悪に塗れた表情で、
『大嫌い』
って。
あ、やっちまった。
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作者名：フネ55
| 作成日時：2023年3月27日 6時
