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七夕の夜に*10 ページ10

*




しばらく抱き合って、言葉もなく、お互いの背中を撫でたり、肩に擦り寄ったりしていた。




「…北山?」
「なに?」
「これって、さ、付き合えるってこと、…でいいんだよね」




そう言葉に出されると、なんだか照れくさくて、藤ヶ谷の肩に顔を埋める。




「…これから大変だぞ」
「わかってるよ」
「ほんとにわかってんのか、仕事とか」
「わかってる、それでも俺はそうなりたいよ」
「…俺だぞ?」
「北山がいい、」




確かめるように、抱きしめ合いながら、言葉を連ねる。




「…じゃあ、そういうことで」
「うん、…これからもよろしく」




藤ヶ谷の、その言葉に、きゅうんと胸が締めつけられた。




「ねえ、北山、キスしていい?」
「お前、そういうこと聞くやつなの?」
「っはは(笑)それっていいってこと?」



意地の悪い藤ヶ谷の言葉に返事しないでいると、
ぐっと肩を掴まれて体を離された。




じっ、と見つめられて、ふっとまつ毛が震えると、目を閉じた綺麗な顔が近づいてくる。
自然と、俺も目を閉じた。




唇にやわらかい熱が触れる。
どくどくと心臓がまた忙しなく動き出す。




ふ、と甘い香りが離れて行くと、優しく微笑まれた。




「行こうか」
「おう」




シートベルトを再びして、車が動き出す。




「俺、願い叶った。」
「なんのこと?」
「今日、七夕じゃん」
「あー、でもお前、全然違うこと書いてたじゃん、短冊」
「宝くじとか書いてた人に言われたくないんだけど……」
「いや、あれはだな……」
「俺は、メンバーや、ファンの子とかももちろんだけど、一番は北山と、毎日楽しくって、ことだった。」




なんだよ、それ




「カッコよすぎだろ…」
「そうでしょ?」
「ちょーしのんなよ」
「ひどいなー」





「藤ヶ谷?」
「ん?」
「…俺の願いも、叶った」
「っ、なにそれ、かわいすぎ」




(fin)

おまけ→←七夕の夜に*9



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しょこら(プロフ) - きたのさん» きたの様、ありがとうございます!!読んでいただき、楽しんで頂けてうれしいです…!本当にありがとうございます( ;∀;) (2018年9月18日 1時) (レス) id: ef72d80421 (このIDを非表示/違反報告)
きたの(プロフ) - 過去のお話も素敵ですね。読む手が止まりません。大人だけど少し子供っポイkさんも年下だけどどこか彼より大人っぽくでも可愛らしさもあるfさん、まるっと愛おしいです。 (2018年9月17日 23時) (レス) id: 049911e489 (このIDを非表示/違反報告)
しょこら(プロフ) - nicole155さん» nifole155様、ありがとうございます!メンバーへの相談はさせるか迷いましたが、グループ全員に認められていてほしいという作者の思いから協力してもらいました笑 (2018年8月13日 12時) (レス) id: ef72d80421 (このIDを非表示/違反報告)
nicole155(プロフ) - 七夕のお話とても素敵でした。ガヤさんがメンバーに協力してもらってたのがまた更に良かったです。勇気を出してくれたガヤさんグッジョブです!笑 (2018年8月13日 11時) (レス) id: 5edbe27f7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しょこら | 作成日時:2018年7月9日 17時

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