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29.F ページ29

.


「……ねぇ………、ホントに良いの?」





タクシーの後部座席、

少し間を空けた先に座る北山さんが

こちらの様子を上目遣いで窺ってくる





“……北山さん、うちに来ませんか?”





そう言葉にした俺に対して、

それまでの動揺っぷりが

まるで幻だったかのように

ゆっくり微笑んだ北山さん





“藤ヶ谷さんに何かあったら

亡くなったおじいちゃんに怒られちゃう”





明るく大丈夫と言い切るその姿に

北山さんの心の強さを感じると同時に

少し寂しさを覚えた





この人は優しい笑顔の裏に

どれだけ自分の心を隠してきたのかな?





鈍感を決め込んでいるのか

自分は大丈夫だと

本気で思い込んでいるのか





それともやっぱりただの強がりなのか





本当の所なんて俺には分からない





はっきりしているのは

そんな北山さんに対する俺の想いだけ





『北山さんを守りたい』





一緒に夜を過ごして強くそう感じた


まだ知り合って間もないのに

何言ってんだこいつって感じだよね


でも、酷く魘された姿と

安心したように抱きついてきた姿、

その姿に俺の心は確かに揺り動かされた


北山さんの弱さを受け止めるのは

いつも俺でありたい………





“このままひとりで家に帰したら

それこそ俺がじいちゃんに怒られる!”





あれやこれや押し問答を繰り広げ、

結局最後は俺の粘り勝ちで

北山さんは俺の家に来ることになった





「あっ、ここで停めてください」





今は必要なものを取りに

一旦北山さんの家へ向かっているところ


歩くと少し遠い距離も

タクシーだと近いもので

あっという間に目的地に到着した





「ありがとうございまーす」





お礼を言いながら車から降りると

背後でバタンッと閉まるドア


「じゃ、急いで準備してきますね?」


タクシーが走り去るのを見守ると

北山さんは目の前のアパートに

駆け足で向かっていった





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牡丹(プロフ) - まいまいさん» コメントありがとうございます(≧∇≦)嬉しいです!Fさんがどうなってしまったのか、続きも見守ってあげてください( ;∀;) (2021年6月15日 17時) (レス) id: 1a54c4e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - えーん、Fさんが…ご無事でしょうか?心配です。続きをずっと待っています… (2021年6月11日 10時) (レス) id: d8ffbdef31 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹(プロフ) - puuさん» こにちは!コメント嬉しいですー(≧∇≦)誰とも交流出来なくて寂しかった(T^T)タカさん、不穏な感じですよね!藤ヶ谷さんを交えてどうなっていくのか...…( ̄∀ ̄)また見に来てやってください♪ (2021年4月20日 23時) (レス) id: 1a54c4e0e3 (このIDを非表示/違反報告)
puu(プロフ) - こんにちは。新作一気に読ませていただきました。最新話でぎゃあぁぁと叫びました(心の中で)。ドキドキしながら続きを待っております!今後の2人がどうなっていくのか楽しみです!! (2021年4月18日 15時) (レス) id: b36113747c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:牡丹 | 作成日時:2021年2月21日 10時

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