優しい時間 ページ25
寒い星空の下、独歩と抱きしめあって
お互いの気持ちが一緒なことをなんとなく感じとる。
家の中に入り、独歩がお風呂に入っている間に
お腹空いてるかも、と思って作っておいた
軽めの夕食を温め直す。
緊張していた。
遠くで独歩がシャワーを使っている音がしていて
どうしよう、どうしよう
伝えるって決めていたのに酷く緊張した。
優しい独歩のことだ。
きっと受け入れてくれる、
そう思うのに、手が小さく震えていた。
テーブルの上に、温め直した夕食を並べ、
その横にさりげなく、母子手帳を置いた。
喜んでくれるだろうか
それとも迷惑？
どちらにせよ、私は伝えるって決めた。
伝えた上で彼が少しでも迷惑がる素振りを見せたら
一人で育てていくことを改めて決意できる。
彼に全てを委ねた。
両親はすでに寝ていて、独歩がお風呂から上がる音が静かに響いた。
リビングのソファーに座り、テレビを眺めるフリをする。
ガチャリ
「風呂、ありがと」
「うん、ご飯もはいらなかったら無理しないでね」
テレビから目を逸らさずに応える。
彼は気づいてくれるだろうか。
「ん。全部食うよ」
そう言って、私の実家でご飯を食べる時は独歩はここ、っていう定位置の椅子を引く独歩。
「…独歩…？」
いただきます、が聞こえてこなくて不安になる。
もしかして、もう気づいてしまったのだろうか
そう思い、振り返り独歩を見ると
「…これ、…これ…ほんと、か…？」
横に置いてあった、母子手帳。
それを手に持ちこちらに信じられない、というふうに問いかけてくる。
なんて言ったらいいかわからなくて、視線を下に落とすとガタリ、と椅子の音がして
あ、と思った時には独歩にきつく、きつく抱きしめられていた。
「俺の…っ…俺の子…だよな…」
独歩の胸に顔を押し付けられるようにされていて、
その表情を見ることはできないが、声が震えていて泣いているように聞こえる。
「……ん。そうだよ」
ズッ、と鼻をすするような音がして
「ふふ、泣いてるの？」
「……っ、泣いてる…悪いか…」
「…泣かないで、独歩」
よしよし、独歩の背中をさすってたら
なんだか私も泣けてきた。
心配するだけ無駄だった。
優しい優しい独歩だから
泣いて喜んでくれる、そんなこと
わかりきってたことなのに。
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死にそう - ほんとに好きです。最高すぎて、自分がこんな素晴らしいもの読んですみません…。って気持ちになる (2021年3月12日 0時) (
レス) id: 1084582c74 (このIDを非表示/違反報告)
リドルの妹になりたかった願いから生まれた夜月です嘘です。 - 独歩よ…………幸せにしてくれないと本当に真面目に泣きそうだから夢主ちゃんを幸せにしてくれぇぇぇァァぁぁ！！ 作者様も作品も本当にもう好き。 (2021年1月9日 23時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
十鞠 - 独歩ぉ"ぉ"ぉ"、、夢主ちゃんを幸せにしてぇぇぇ、、、、。感動をありがとうございます。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: fb05fdae18 (このIDを非表示/違反報告)
失格人間。(プロフ) - 凄い好きです…話の流れ。腹の中がムズムズするこの癖になる感覚がして…………好きいいいいい本当、ありがとうございます!! (2019年4月4日 11時) (レス) id: bb922c1436 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 更新ありがとうございます(´；ω；｀)ほんとに好きです…最高です… (2018年12月28日 4時) (レス) id: 73f2a4f0cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リト | 作成日時：2018年9月23日 15時
