紅いシルシ ページ3
独歩から帰りが遅くなると連絡があった。
なんでも取引先の人と偶然会い、そのまま夕飯を一緒にしてくるとのこと。
残業とかじゃなくて良かった。
明日は土曜日で私も独歩もお休みだしゆっくりできる。
最近はデートらしいデートもできていないけど、疲れきった独歩を見てると「出かけたい」なんて言えなくて、結局お家で映画観たり、ゴロゴロしたりが増えている。
なんだかなー、なんて。
独歩に用意していたご飯にラップをかけて冷蔵庫へ。明日の朝ごはんでも昼ごはんでも食べれるよね、なんて考えながら。
テーブルに頬杖をついてテレビを眺める。
独歩は何時頃に帰ってくるんだろう。
時刻はすでに日付を跨ごうとしている。
テレビの中では最近人気のお笑い芸人がご自慢のネタを披露している。面白いはずなのに、1人だと笑いたくても笑えない。
何をしてても独歩と一緒がいい、なんて依存してる。
それでも綺麗な景色を見て感動するのも、面白いものを見て笑うのも、独歩と一緒だからできるんだ。
「……寝ようかな、そろそろ」
テレビの電源を切ったところで玄関から音がする。
ガチャガチャ、ガチャガチャ、
「！…どっぽ、？」
慌てて玄関まで行き覗き穴から覗くとやはり愛おしい独歩の姿。ドアノブをガチャガチャ動かしているけど、上手く開かないようだ。急いで扉を開けると
「おかえりなさい、独歩」
酔っているのかほんのり赤くなっている頬。
眠そうな眼に朝よりも目の下の隈が濃ゆくなっている気がした。
「ん〜〜……」
独歩の仕事用カバンを受け取り、ジャケットも脱がせる。
「どっぽ、今日はシャワーにしとこ？」
「、ん」
自分ではネクタイも外しにくそうだったので
手を伸ばし、ネクタイを外すのを手伝う。
シュルシュルと外れるネクタイ。
首元の締め付けがなくなり、独歩はシャツのボタンを外し始める。
その時に見えてしまった。
首元に紅い紅いシルシがついているのを。
ほんとは、スーツのジャケットを脱がせた時に独歩のものではない香水の香りがしたのだって気づいてた。
でも、聞くのが怖くて。
聞いてしまったら私たちの間に溝ができてしまいそうで
気づいてないフリをした。
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死にそう - ほんとに好きです。最高すぎて、自分がこんな素晴らしいもの読んですみません…。って気持ちになる (2021年3月12日 0時) (
レス) id: 1084582c74 (このIDを非表示/違反報告)
リドルの妹になりたかった願いから生まれた夜月です嘘です。 - 独歩よ…………幸せにしてくれないと本当に真面目に泣きそうだから夢主ちゃんを幸せにしてくれぇぇぇァァぁぁ！！ 作者様も作品も本当にもう好き。 (2021年1月9日 23時) (レス) id: 7e61cd56ff (このIDを非表示/違反報告)
十鞠 - 独歩ぉ"ぉ"ぉ"、、夢主ちゃんを幸せにしてぇぇぇ、、、、。感動をありがとうございます。 (2019年8月21日 18時) (レス) id: fb05fdae18 (このIDを非表示/違反報告)
失格人間。(プロフ) - 凄い好きです…話の流れ。腹の中がムズムズするこの癖になる感覚がして…………好きいいいいい本当、ありがとうございます!! (2019年4月4日 11時) (レス) id: bb922c1436 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 更新ありがとうございます(´；ω；｀)ほんとに好きです…最高です… (2018年12月28日 4時) (レス) id: 73f2a4f0cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リト | 作成日時：2018年9月23日 15時
