挨拶の時間 ページ10
「おはようございます、先生方」
私はにっこりと3人の先生に笑いかけた。
1人は烏間。
1人は女の人。
もう1人は……理事長。
「残念ですね、あなたにはぜひA組に入って欲しかった」
「何言ってんの?違うクラスにいて暗殺が出来るかっての」
「おい、口が悪いぞ」
「うるさい、どうせE組なら当たり前のことでしょ?」
ニコニコと不気味に笑う理事長。
今の私にそっくりだった。
作り笑い、だけど作り笑いじゃない。
本当の笑顔だけど、心は違う、そんなような笑顔。
この人は殺す側の人だ、そう思った。
もう1人の女の人。
イリーナ・イェラビッチ先生。
E組の英語教師を勤めることになっているとか。
でも、まだそのことはふせてあるらしい。
烏間曰わく、ハニートラップの達人。
ということはこの人も私と同じ殺し屋。
同じはずなんだけど……、纏っている空気が違う感じがした。
私は真っ黒だ。
それは、変わりないんだけど。
イェラビッチ先生は、どこか光がある。
殺し屋でも善意がある人と無い人がある。
私は後者、あの人は、前者、だろう。
私は求められれば実行する、機会と何ら変わりない生き物だから。
そして、挨拶をした後、イェラビッチ先生は「ターゲットに姿を見られたらハニートラップも糞も無いわ」と言って帰って行った。
「それで?ターゲットはどこなの?」
私が見るに、理事長ではないはずだ。
理事長は十分危ない人だけど、月を爆発させるほどの威力はないとみた。
「……あぁ、もうすぐ来るはずだ」
烏間がそういった刹那。
バタンッと扉が開いた。
そこから現れたのは、黒と黄色の服に身を包んでいる、見たこと無い生き物。
手足は触手、黄色だった。
「おはようございます、Aさん。ようこそ、E組へ」
「……は、普通の人ではないと思ってたけど、ここまでとはね」
何て、タコに似た生き物だろうか。
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作者名:白猫 x他1人 | 作成日時:2015年3月20日 19時