【暗殺教室】天才×不良 first time (ページ3)

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電話の時間ページ3

さて、これからどうしようか。

今日はどこで寝ようかな、などと考えながら見慣れた道を一歩一歩踏みしめるように歩く。

これが、私が踏み出した本当の一歩目だから。

しばらく歩いていると、ふと明かりが顔を照らした。

光がさす方に顔を向けると、それはテレビだった。

電気屋の前に置いてある、デカデカとしたテレビ。

そこには、月が映っていた。

キレイな、三日月が。

それにも心を奪われたけど、もっと興味を引いたのはキャスターの言葉。

「月が！！爆発して7割方蒸発しました！！我々はもう一生三日月しか見れないのです！」

……夜空を見上げた。

そこには三日月が映ってた。

欠けているのに、キレイに輝いていた。

私もいろいろ欠けているけど、まだ三日月のほうがキレイだ。

素直にそう思った。

「……！」

私のポケットが振動する。

手を突っ込むと、携帯を取り出した。

お母さんかと思って起動させると、そこには違う人の名前があった。

『烏間惟臣』

やむを得ず携帯の通話画面をタップすると、耳に当てた。

「何のよう？仕事のことなら謝らないよ。それとも私を殺しにきたの？」

私と烏間の関係は1つだ。

捕まえるものと捕まえられるもの。

私が少し前にこの男に屈辱を味わわされたことを思い出す。

ギリ、と奥歯がなった。

『……違う、今日は俺が依頼人だ』

「はぁ？言ってる意味わかってんの？」

『わかっている。お前にある奴を殺してほしい』

「何言ってんの？何、私に依頼するほどヤバい人？」

暗殺者である、この私に。