屋根上の時間 ページ18
「朝の赤髪君だ」
「や、こんなとこで人に会うなんてね〜」
「私情です、私情」
「体調悪そうには見えないよ?」
ドカッと私の隣に腰を下ろす赤髪君。
風が吹いて、赤髪君の髪と寝ている私の頬を通った。
「君こそ、どうして今来たの?朝来てたじゃん」
「ん?まぁ、君と一緒」
「私のこと何だと思ってんのよ」
「んー……サボリ魔?」
笑顔で爆弾発言をした赤髪君に一発蹴りを入れる。
けど、受け止められて、元の位置に返された。
体操服の私と制服を着ずに白いTシャツと黒い上着、そしてズボンを着崩している赤髪君。
それにプラス、サボリというレッテル。
……何ともシュールな光景だ。
そんな馬鹿げたことを考えていると、いきなりものすごい強い風が吹く。
「……っ!」
下からも女子の可愛い悲鳴が聞こえたけど、砂ぼこりが上がっただけのようだった。
……問題は、私。
思いっ切りバランス崩して、ズルズルと下へ真っ逆さま。
「わあぁぁ!!何この校舎掴んでも壊れる!落ちる!うわぁぁ、止まって!!」
緩い斜めの屋根は、一回バランスを崩すと腐敗しているため掴んでも壊れ、落ちるだけの状態だった。
くっそ、乗るのは腐敗してるから足掛けやすくて簡単だったのに、降りるのはこうかよ……!
ってヤバいヤバいヤバい!
ホントに落ちる!
とりあえず受け身は出来るからそこまで痛くないだろうけど……。
ぎゅっと目を瞑って受け身の体制を取る。
そのままダイブ。
ボスンッと音がした。
「いった〜……く、ない?」
思いっ切り落ちたのに、痛くない。
ふと下に違和感を感じ、目を空けると。
顔面ドアップ、赤髪君。
「うわぁあああぁ!!!」
結局落ちるより、大きなショック。
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作者名:白猫 x他1人 | 作成日時:2015年3月20日 19時