個性の時間 ページ11
「ここからの話は国家機密だ。もし他言した場合は記憶消去の処置を行う」
「へぇ、必死。ホントにこのタコがやったの?いろいろつっこませて欲しいんだけど」
タコの体をツンツンしながらそう言う。
ぶにぶにしてて本当にタコみたいだった。
「ヌルフフフ、また個性のある生徒ですねぇ」
「個性しかないからね」
今回の暗殺は、私が殺し屋ということは伏せて行われる。
知られれば警戒されることは当たり前、それに殺し屋と同じ空間にいるなんてE組の人達も落ち着かないだろう。
よって、この部屋の中では私のことを殺し屋と知っている者は烏間だけだ。
……たったさっき、赤髪君に疑われたけど。
まさか殺し屋とは思ってないだろう。
あのまま赤髪君は山の中に行っちゃったし、本当に私を案内しただけのように見えた。
……もしくは、サボリか。
烏間と私は、言わば犬と猿だ。
要するに、仲が悪い。
この前、何者からか烏間を殺してほしいと依頼があったため、殺し合いまでしたほどだ。
……負けたけど。
相手の強さを見誤った私のミスだった。
しばらく戦って倒れた私を見て、烏間はこう言った。
「もったいない、そういう力の使い方しか出来ないとは」
あの時は私のリミッターが外れた音がした。
それから、よく考えて、お母さんにお金を渡すために人を殺すのは止めようと思った。
烏間に言われた言葉は屈辱以外の何者でもないけど、ね。
もう暗殺とはおさらばだと思ってたのに……。
世界は、わかんないものだ。
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作者名:白猫 x他1人 | 作成日時:2015年3月20日 19時