008 : ページ9
「えっ…?」
宏兄の顔を覗きながら、自分の耳を疑う .
「癌だったんだけどさ . 夜の仕事やってて、酒とかよく飲んでたからかな . まぁ、今はもう大丈夫だけどな?半年くらいは整理つかなかったわ . 」
そう言って明るい表情を装って、笑う宏兄 .
「…辛くないの?」
「ん?つれーよ . 特に悲しそうにしてる親父を見るのがさ . あの時、親父を一人にしちゃいけねぇって思ったんだよ . 」
そんな辛い過去があるくせして、この人はうまく笑う .
「 でも!ずっと落ち込んでても意味ないしな!」
わたしが目にしたことのないほどの、キレイな笑顔で .
「わりぃ、重くなったなー . 」
「いや…」
「まぁ、もう時効だなー . 」
なんでそんなに、平然としていられるの?
どうして感情をコントロール出来るの?
あぁ、わかった .
強いんだね、宏兄は .
( もう悲しまないで )
19人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ベル - 更新がんばってください! (2015年1月14日 18時) (レス) id: fa34e0c1a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:@ P a c o . | 作成日時:2014年4月10日 20時