２５ ページ26
「ね、中入ったら何か帽子とか買おうよ」
「うえ！？帽子！？」
「ほんと太輔すきだなー」
「楽しそー。俺何も持ってないからさんせー」
自分とたまのやり取りに慣れたのか、誰にもつっこまれることなく会話が続く。
突然の藤ヶ谷からの提案に思わずのけぞってしまった。帽子って…ここで言う帽子って、あの動物たちの耳とかリボンがついてるもれなく可愛いやつだろ？
成人前後の男子4人。3人とも顔は整ってる方だと思うけど、それはさすがに寒すぎやしないか。
と、心の中で叫んでみるものの、盛り上がる3人はすでに買う気満々らしく、反対することはできそうにない。
「北山に似合うの、一緒に選ぼうね」
いつもより6割増しの楽しそうな藤ヶ谷に、苦笑いを返すので精いっぱいだった。
「あ、あくよー」
そのあとも後ろに見える城のような建物がホテルだということ、このホテルに泊まると他の人より早く入場できるということ、中のビュッフェが最高に美味しいということ等々説明を受け、藤ヶ谷が夢の国マニアだということが十分すぎるほどわかったところで人の列が動き出す。
いつの間にか自分たちの後ろにも同じくらいの列が並んでいて、周りの動きに流されそうになり思わず前の奴の服を掴んでしまった。
…幸か不幸か、それは藤ヶ谷の服で。
驚いたように振り向く顔にしまったと思ったけど、すぐに優しく微笑まれる。
「はぐれないようにしっかりつかんでててね」
すぐに前を向いてしまったけど、優しいその言葉に胸の中心がほんのり温かくなる。
人混みも悪くない、なんて現金なことを思ってしまった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 694人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぴーすけ(プロフ) - kouseiさん» Sさん、いい感じにしめてくれましたよね！笑 切なかったり、楽しかったり。まだまだいろんな2人が見れると思うので、引き続きお付き合いお願いします( ´ ▽ ` )ﾉ (2016年3月25日 12時) (
レス) id: ed0adb3f82 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 2人にとって、最高の思い出にさせてあげることができて本当に嬉しいです。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうので、これから2人はまだ現実で色々悩んでもらう…かも！？です。何せ先を決めてないのでこれからどうなるか私にもまだまだ未知数です。笑 (2016年3月25日 12時) (レス) id: ed0adb3f82 (このIDを非表示/違反報告)
kousei(プロフ) - えぇっ！最後がすごく気になる感じに… 夢は覚めるものって何があったんでしょう？なんだか切ない予感がします（泣） (2016年3月24日 20時) (レス) id: 2f946ced33 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - ふたりにとって最高の思い出♪にｷｭﾝ。太ちゃんもみっくんもお互いの言葉が本当に嬉しかったんだなぁって私も嬉しいです♪楽しい時間が過ぎるのは早いですよね‥太ちゃんの様子･･心配で気になります‥どうしたんだろ‥夢の時間が終わっちゃった(泣)続き待ってます (2016年3月23日 20時) (レス) id: c5bfccd947 (このIDを非表示/違反報告)
たいちゃんらぶ(プロフ) - 渉ｻﾝ玉ﾁｬﾝの粋な計らい･･ﾎﾝﾄかっこいいですよね♪そのｷﾓﾁを受け止めてみっくんが太ちゃんに一生懸命伝えた言葉‥見ていてｸﾞｯときました(泣)ﾊﾟﾚｰﾄﾞは見れなかったけどふたりにとっては素敵な時間♪という想いが伝わってきました♪もぅすごーく感動 (2016年3月21日 9時) (レス) id: c5bfccd947 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：S・ぴーすけ | 作成日時：2016年2月15日 0時
