K-side ページ10
「北山…ごめんね。」
どんどん自分の涙で歪んでいく藤ヶ谷の顔。
ギュッと目を瞑って首を横に振ればポロポロと涙がこぼれた。
「ふっ…ごめ、俺…ッ！」
「北山は悪くないよ。ごめんね」
藤ヶ谷はその場にスっと立ち上がり俺の体を優しく包み込んで抱きしめてくれた。
あたたかい…
この藤ヶ谷のぬくもりを知っているのは俺だけだ。
そう思ったら藤ヶ谷にチョコレートをあげた女の子の事なんてどうでもよくなった。
「北山が男とか女とかそんなの関係ない…北山っていう人間そのものが好きだよ。そんな簡単なことわかってたはずなのに不安にさせちゃったね。」
「ん…っ、俺も藤ヶ谷が好き。藤ヶ谷が宇宙人だったとしても絶対好き」
思わず藤ヶ谷の腰に勢いよく飛びついて抱きつくと藤ヶ谷は態勢を崩しそのまま二人して床に倒れ込んだ。
「いってー！ちょ、北山大丈夫！？」
「だ、大丈夫…藤ヶ谷は？」
「ふふっ、大丈夫だよ。それにしても宇宙人て……」
床に寝転びながら二人で顔を見合わせて笑う。
そして引き寄せられるようにキスをした。
「ん…っ、藤ヶ谷…」
「…チョコレートなんかより北山の唇の方が甘いよ」
「藤ヶ谷甘いの嫌いなんだろ？」
「ふふ、北山のは別だよ」
そう言って藤ヶ谷は俺の唇をペロッと舐め啄むようなキスを繰り返す。
「んっ…ちゅ……北山…」
「はぁ…んんっ、藤ヶ谷…もっと…」
床に倒れ込んだまま藤ヶ谷の首に腕を回して自ら舌をペロッと出すとそれに食いつくように藤ヶ谷の唇が重なる。
気持ちいい…
キスだけで自分の体がチョコレートみたいに溶けていくみたいだ。
「藤ヶ谷…っ、今…今がいい…」
「…いいの？料理もせっかく…」
「そんなのいい。今藤ヶ谷が欲しい…」
ずっと拒んでいた藤ヶ谷との行為。
藤ヶ谷を俺の体で汚すような気がしてずっと躊躇っていた。
だけど、いつの間にか俺自身も藤ヶ谷に触れたいと感じるようになった。
そして藤ヶ谷が俺を見る妖艶な目つきに抱かれたいとさえも……
終わり
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りんご(プロフ) - こんばんは。突然すみません。お忙しいとは承知ですが、「幸せの途中」の続きをぜひ読みたいです。いつまででも待ってるので、大好きなこの作品を最後まで読みたいです。 (2018年3月30日 22時) (
レス) id: ef0e919a50 (このIDを非表示/違反報告)
daimomm(プロフ) - お互いに相手をとても大切に思っているのに、ちょっとしたことが不安に思ったり、自分に自信がなかったり。揺るぎない関係を築くまでにはまだまだいろいろなことがあるのでしょうね。今章もとても楽しみです！ (2018年2月13日 20時) (レス) id: 4014bb6c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りこ | 作成日時：2018年2月13日 19時
