F-side ページ7
「っは、北山…!」
コンビニに到着して店内に入ると他の客の目も気にせず北山の名前を叫んだ。
レジに立っていたアルバイト店員は目を丸くして俺を見ている。
そいつに声をかけようと近付けば事務所の扉が開き二階堂くんが店内に出てきた。
「あれ?藤ヶ谷さん…?」
「ごめん!北山来てない…?」
走って乱れた呼吸を必死に整えながら二階堂くんに問う。
「…藤ヶ谷?」
すると二階堂くんが答える前にその後ろからひょっこりと北山が現われた。
安心して膝が崩れそうになりながらも北山のそばのレジカウンターに手をついて身を乗り出した。
「北山ごめん!本当に俺バカだった…北山の気持ちも考えずに本当ごめん…!」
二階堂くんとアルバイト店員の目の前で必死に北山に向かって頭を下げる。
「…みつ?みつの渡したかった人ってもしかして…」
頭上からは北山の声は聞こえず代わりに二階堂くんの声だけがか細く聞こえた。
「あ……うん。ごめん、黙ってて…」
頭を下げている為こちらに向かって歩いてくるのが北山なのかはわからない。
「藤ヶ谷、頭上げろよ」
声につられてゆっくり頭を上げれば目の前には少し赤い目をした北山が立っていた。
「北山…ごめん…っ」
「ん……俺も出て行ってごめんな。」
北山の言葉にホッとして今すぐにでもその体を抱きしめたかったが、手を伸ばしたところで二階堂くんの視線に気付き腕を下ろした。
「…ニカ、ごめんな?巻き込んで」
「や、うん…ちょっとビックリしたけど……仲直り出来たならよかった」
北山はもう一度ごめんと謝り、キョトンとしている二階堂くんとアルバイト店員に俺も頭を下げて二人でコンビニを後にした。
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りんご(プロフ) - こんばんは。突然すみません。お忙しいとは承知ですが、「幸せの途中」の続きをぜひ読みたいです。いつまででも待ってるので、大好きなこの作品を最後まで読みたいです。 (2018年3月30日 22時) (レス) id: ef0e919a50 (このIDを非表示/違反報告)
daimomm(プロフ) - お互いに相手をとても大切に思っているのに、ちょっとしたことが不安に思ったり、自分に自信がなかったり。揺るぎない関係を築くまでにはまだまだいろいろなことがあるのでしょうね。今章もとても楽しみです! (2018年2月13日 20時) (レス) id: 4014bb6c4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りこ | 作成日時:2018年2月13日 19時