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K-side ページ5

歩いているうちに着いたのはコンビニ。


こんな時でも俺の逃げ場はここしかない。






外から覗くとレジにニカが立っている。




入ろうかどうしようか悩んでいるとこちらに気付いたようでニカが慌てて外に出てきた。







「ちょっと、みつ!何してんの?」


「ん、ちょっとな…」


「ちょっとなって…何その格好!入りなよ!」






季節外れの姿に驚きながらニカは俺の背中に手を添えて優しく店内へと迎えてくれた。







「待ってて?今カフェラテ入れる」





事務所に入るとニカは仮眠用の自分の毛布を俺の肩にかけてくれる。


本当、年上のくせに情けない。







「はいよ、あったまるよ?」


「あ、悪い。お金…」







ニカから店内で淹れたカフェラテを受け取りポケットの中を探ってみるもやはりお金なんて入っているはずもない。







「いいって!俺の奢り」


「……ごめんな。」


「それより…どうしたの?そんな格好でさ…」









ここまでしてくれるニカに何も言わないわけにもいかない。






「…今日バレンタインだろ…?」


「あー、そうだね?みつは渡したい人が居るって言ってたよね…」


「そう、なんだけどさ…そいつ女の子からすげー貰ってて……」






その会話からして俺の渡す相手が男だということはニカには伝わったはずだ。







それよりもほかほか温かいカフェラテを両手で持っていると自分の体がどれほど冷えていたのか、今更だけど実感する。








「あー…なるほどね。モテるんだ、その人」




ニカは俺の言葉にはさほど気にもしてなさそうに呟く。




「…俺バカだからさ…そんな事考えてなかったんだよな。」


「それでみつは渡せなかったの?」


「渡す前に女の子から貰ったチョコレート、よかったら食べないかって言われちゃった」







カフェラテを啜りながら思わず笑いがこみ上げ、ははっと笑ってしまう。




何も言わないニカを紙コップ越しにチラッと見ればなぜか俺よりも傷付いた顔をして俯いている。







「そんなの……酷すぎるよ」


「や、でも悪気とかなくて…」


「それでもだよ!そんなの…みつがかわいそうだよ…」







俺の言葉を遮るようにその場に勢いよく立ち上がり、今にも泣き出しそうなニカの顔を俺は黙って見上げていた。

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りんご(プロフ) - こんばんは。突然すみません。お忙しいとは承知ですが、「幸せの途中」の続きをぜひ読みたいです。いつまででも待ってるので、大好きなこの作品を最後まで読みたいです。 (2018年3月30日 22時) (レス) id: ef0e919a50 (このIDを非表示/違反報告)
daimomm(プロフ) - お互いに相手をとても大切に思っているのに、ちょっとしたことが不安に思ったり、自分に自信がなかったり。揺るぎない関係を築くまでにはまだまだいろいろなことがあるのでしょうね。今章もとても楽しみです! (2018年2月13日 20時) (レス) id: 4014bb6c4e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りこ | 作成日時:2018年2月13日 19時

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