相澤先生の寝袋 [ヒロアカ] (ページ15)

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相澤先生の寝袋週末の宅飲み (番外編) ページ15

週末

それは、1週間の節目であり休日の前日であり、少なくともあと48時間は日々の過酷な業務から開放されている時間であると思われる日だ。

だから、1週間頑張りぬいた自分へのご褒美はやっぱり金曜日に。

世間の大多数の大人も子供も、そんな気分になってしまうのは仕方ないと思わないだろうか。

そしてそれは、アングラヒーロー・イレイザーヘッドの寝袋も例外ではない。

ﾄﾞﾝｯ

丸いちゃぶ台に日本酒の酒瓶が叩き置かれた。

『ぐずっ…ｽﾞｯ……せんぱいのばかやろぉ～っ！！！』

相「・・・俺にも注いで」

『だめっス！…けがにんでしょ～…』

相「少しだけ」

『これはおれがぜんぶひとりでのむんです
せんぱいになんかあげませんよ
ボロボロになってミイラみたいになって…そんなひとにはおさけなんてこうきゅうひんはもったいないですっ！！…ｸﾞｽｯ…』

Aは日本酒を瓶ごと抱えて飲んでおり、泣きながらグデングデンに酔っている。

それを目の前で見ている包帯だらけの男は、相澤消太である。

相澤だって週末は酒を飲みたい。

とくに今週はヴィランの襲撃があって散々な目にあっているのだ。

一向に酒瓶を離さないAを見るに、その願いは叶いそうにないのだが。

相「心配かけて、ごめんね」

包帯で覆われてないのは片目だけの相澤が、その片目を伏せてAを見る。

『っっ…きらいれす…っせんぱいなんて…もうきらいれすっ！…ｽﾞｽﾞｯ…
れも……せんぱいを…まもれない…じぶんは…もっとだいきらいれすっ！…ｽﾞｽﾞｯ…』

ついに鼻水まで垂れてきているAは、自分の鼻を強引に擦って呂律の回らない言葉を並べ立てる。

相澤は包帯で二倍以上の太さになった両腕で、目の前で酒をガブ飲みするAを優しく抱き占めた。

『っ、なにやってんれすかっ…はなしてくらさい…』

相澤は黙ってAを抱き占めて、日本酒の瓶を取り上げた。

『…なんかゆっでっ！！なんでだまってゆのっ！！？…しんじゃやだぁぁあっ！！』

もう何が何だか分かっていないAは、赤ん坊のように大声を上げて泣いた。

相「生きてるよ」

『れもっ！…けがしてるぅっ！！』

相「A、心配かけてごめんね」

『ゆるさないっ！』

Aは日本酒を相澤から奪い返して、まだ瓶の半分くらい残ってた酒を全部飲んだ。

相「おいっ！？もうそのくらいでやめとけ！」

『うぅ……あれ、…せんぱい…が……よにん…いる……なんれ…れすかァ…？…』