４ー４ ーAesopー ページ31
「何を読むんだい？」
「ん？えっと……白雪姫です。と言っても読めないかもしれないですけど……」
そう言うAさん
「隣の席、どうぞ」
そう声をかければ隣に座るAさん
ジョゼフさんもちゃっかり座っている
「なら教えてもらったら？横に本読む奴居るし」
「ジョゼフさんも読めるでしょう」
「生憎、私は教える気がさらさらないね」
そう言われて態とだと思いつつAさんの本を覗き込む
可愛らしいイラストの付いた絵本だ
「……ダイアー先生とは如何やって勉強しましたか？」
「えっと、まずエミリー先生が読んでそれを指でなぞりながら覚えてます」
「ではこれは決まり文句なので分かりますか」
そう言って指を差す
「昔々……ですか」
「そうですね、ここから先は？」
「少し……だけしか」
そう言われて僕は指で文字をなぞりながら
「昔々、肌が雪の様に白く、唇は薔薇色、髪は美しく艶やかな黒色のお姫様、白雪姫が生まれました」
そう言えば後に続いて発音するAさん
話を読みながら何故小人がすぐに白雪姫を土に埋めなかったのかと少し考えた
「小人達は棺の側で泣いて暮らしました」
白雪姫は今にも生き返りそうな表情だった
だから彼らは埋めなかったそうだ
だが彼女をガラスの棺に安置してもいずれ腐ると思わなかったのだろうか
王子様が来て、キスをして息を吹き返さなかったら腐っていただろうに
彼らはそうなった白雪姫をそれでも愛すのだろうか
「……おしまい」
そんな風に思っていると本を読み終えてしまった
Aさんを見ると覚えようとしているのかぶつぶつと１人で繰り返していた
……僕ならいくら美しくても死人にキスはしない
死人は死んでいるのだからキスしても無駄だ
だが恋は盲目だと何処かの国では言われている
……まあ純粋な彼女は死人に王子がキスをしているなんて事考えはしていないのだろうと思いながら本を閉じた
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憐海(プロフ) - イーリアさん» ありがとうございます！そう言っていただけてとっても嬉しいです！頑張ります！ (2020年3月17日 22時) (
レス) id: c0818addfc (このIDを非表示/違反報告)
イーリア - なにこれかわいい 好きです 更新頑張って! (2020年3月17日 19時) (レス) id: 7c0d35bb59 (このIDを非表示/違反報告)
憐海(プロフ) - chara＊doll＿サブさん» あ、ありがとうございます！嬉しいお言葉です！がんばります！ (2020年3月14日 19時) (レス) id: c0818addfc (このIDを非表示/違反報告)
chara＊doll＿サブ(プロフ) - 応援してます！！頑張ってください！！もうこの小説の大ファンです！！リュカさんのファンです！(( (2020年3月14日 19時) (レス) id: 8350102349 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：憐海 x他1人 | 作成日時：2020年3月14日 16時
