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初めて会った時のような、優しい声で俺を呼ぶ。抱きしめられたまま、耳元で動く彼の口。
｢おれ、実はね、母子家庭で、貧乏なの。大学に行くお金も、ギリギリで。｣
｢…うん｣
｢だから、このバイト始めた。手っ取り早く稼げるからって理由でこんなバイトしてるような奴なの｣
｢…｣
｢きっと、きたやまの、元彼みたいに、素敵な人にはなれない。ガッカリさせて、ごめんね、｣
…そんなこと。俺にとっては、誰よりも、君が、一番で。
｢キラキラした、王子様とか、なれないけど。優しいだけじゃ、なくなる日も、あるかもだけど。…それでも、｣
体を離して、俺を見つめる瞳。初めて見た時から、綺麗な目をしている人だ、と思った。
｢きたやまを幸せにできるのは、俺だけだと、思うから。｣
｢…たいき、くん、｣
｢たいすけ、｣
｢…え？｣
｢俺の本当の、名前。藤ヶ谷、太輔。｣
｢…ふじがや、…たいすけ、｣
｢うん、…たいすけって呼んでよ｣
｢…たい、すけ、｣
可愛い、と微笑んでまた、抱きしめられた。彼の体はもうとっくに冷えきってて、慌てて彼をリビングへ引っ張る。
｢はい、｣
渡したコーヒーは、あの時と同じ、インスタント。ブランケットを渡した指先は、あの時みたいにひんやりと冷たくて。
｢…たいすけ、｣
今日は、優しくその手を握りしめる。今日は、今日からは、堂々とそんなことをしても、いいんだよね。
軽く微笑んだ君の顔が少しずつ近づいてきて、優しく唇がぶつかる。
｢好きだよ、宏光｣
手とは裏腹に、暖かい声は俺の冷えきった心も包み込んでくれた。
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藤北ともちん(プロフ) - 二人の修羅場とか見てみたかったな〜。 (2018年2月23日 16時) (
レス) id: 924c28a5a1 (このIDを非表示/違反報告)
mupu.(プロフ) - えつこさん» すみませーん！^^;本当はもう少し書く予定だったのですが、スランプ気味で浮かばないのと日付の丁度良さで勝手に完結させちゃいました。完全に気まぐれです、申し訳ないです(汗)続き書けるよう努力します。 (2018年2月22日 16時) (レス) id: e7baaff3b6 (このIDを非表示/違反報告)
えつこ(プロフ) - 急にendになってビックリ(笑)えええ！って素直に思って素直に続きが読みたかったのでお願いします(笑) (2018年2月22日 15時) (レス) id: 1418647db1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mupu. | 作成日時：2018年1月8日 13時
