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一途? ページ5

眠りが浅く、目が覚めた。時計を見ると9時。
疲れ果てて隣ですやすやと眠る北山の肌には幾つか赤い印が残っており、数時間前の記憶を駆り立てる。
彼は今日も休みみたいだ。この眠っている顔を見ると癒されていく。

ふと携帯を見るとそこにはマネージャーから。
「ドラマ決まりました。」との文面が。

恋愛ものか、と心で言葉をこぼす。送られていた詳細を見るとどうやら王道恋愛でなく、少しこじらせた恋愛モノのようだ。演じることはすごく好きだから役をいただけるのは嬉しい反面、隣で眠る可愛い恋人との時間が減ってしまうとどこか寂しく感じ嬉しいものも素直に喜べない。

北山に報告したらきっとすげえじゃんと喜んでくれるはず。


どこか複雑な気分で、シャワーを浴びる。


+++


「行ってくるね」

未だ眠る可愛い彼の頭を少し撫でては仕事へ向かう。
今日はソロの撮影と、取材。
マネージャーの車に乗り込むと早速ドラマの話が話題にあがる。

「そういえば、今日打ち合わせをしたいと監督の方から連絡がありましたが、藤ヶ谷さん何か予定ありますか?」

そんな急に、とは思うが仕方ないと了承する。


「じゃあ、連絡しておきますね」


北山に直接言いたかったな、と思いながらも帰りが遅くなっても悪いと思い、連絡を入れておく。


+++


「お疲れ様でした」


撮影取材が終わり用意されていた楽屋に戻り携帯を見てみるも北山の返事がない。
まだ寝てるのか?と思ったが、休みの日でも全力でアクティブに生きてる北山がそれはない。
既読も付いていない。少し気になり、「起きてる?」と連絡を入れてみる。


「藤ヶ谷さん、そろそろ打ち合わせが・・・」


用意もせずただ携帯を眺めて座っている俺を見てマネージャーが遠慮がちに声をかけてきた。
さっさと着替えると、マネージャーの車に乗り込む。
打ち合わせと聞いていたから局の会議室かどこかかと思っていたが、明らかネオン街の方へと向いている車。

「どこで打ち合わせ?」


「監督がお店を用意してくださっているみたいです、住所だけ送られてきていたので、僕もあまり知らないです。」


ちゃんと管理してくれよ、何て思いながらもそうかとだけ言葉を残し外の景色を眺める。



「ここみたいです」


降ろされたのはいかにも芸能人御用達といったお店だった。

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作者名:妖狐 | 作成日時:2019年11月2日 5時

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